virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

北米のコミック冊子が素敵な理由と、アラレちゃんの単行本

Optic Nerve No.13 - Adrina Tomine

 

「パリ13区」という映画が公開中だ。日系アメリカ人、エイドリアン・トミネが書いたいくつかのコミックを原作としている。その中の1つはまったく聞いたことがなかったので調べてみると、昔のコミック冊子の中に収録されていることを知り、ああこれは入手せねば…と出版社のサイトで物色中。エイドリアン・トミネはこのジャンルのコミック作家としてはかなり有名なのに今でもコミック冊子を出している(かなり間隔は空いてるが)。今は消えつつあるフォーマットなので、大変希少であり、ファン心をくすぐられる。しばらく北米コミックを追いかけてなかったが、コミック冊子っていいよなぁと本棚から引っ張り出して眺めている。よく考えたら「Dr. スランプ 」の単行本が好きだったのと同じだ、と思い出した。そもそもコミック冊子って何…て感じだと思うけど、興味ある方は読み進めてくださいませ。

 

追記:読んだことないと思っていたHawaiian Gatewayは、日本語訳も出てる「サマーブロンド」に収録されている。まったく忘れてたので読み返そう…。原作コミックはすべて邦訳がでています。

  • 北米コミック遍歴
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  • アラレちゃんの単行本
  • 昨今のコミック冊子事情
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「ナイトメア・アリー」「怪物團(フリークス)」

映画自体も面白いけど、社会背景をもっと知りたくなる2本。

ナイトメア・アリー

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映像がきれいなので、ぜひ劇場で観るのをおすすめ。照明が素晴らしい。

デルトロ作品てファンタジーとかなにか異形なものがでてくるイメージだったけど、本作はかっちりとドラマだった。おさまりすぎていて意外なくらい。時代設定は、主人公スタンがホーボーになる描写やヒトラーの台頭がでてくるのでおそらく1930~40年頃。大恐慌後のアメリカって狂騒の20年代とのギャップと相まって、無法地帯感がわくわくわする時代。流れ者スタンが見世物小屋たどり着くと、団長らしき男が、「ここでは誰もおまえの過去なんて気にしない」と言う。「サカナとヤクザ」で築地魚河岸は前科者でも働き口のある場所と読んだのを思い出した。行き場のない人にとっての社会の受け皿。

 

スタンは読心術のてほどきを受けると、見世物小屋を飛び出し、一儲けしようと企むが、因果応報な結末を迎える。このラストがストーリーとしてあまりにも丸くおさまってるので拍子抜けしたのだが、原作や47年の映画ではテーマが全然違うらしい。人心掌握の術を使って広がったメガチャーチの始まり(「エルマーガントリー」)、無賃乗車でアメリカ中を移動したホーボー(「北国の帝王」)などなど、この時代のことをもっと知りたくなる。47年の映画「悪魔の往く町」は10本セットDVDとして販売されていて、こちらは渋谷のツタヤにあるかどうか…。

 

ということで、BLACKHOLEのこちらの映像を見るとより理解が深まり、キャー勉(キャー勉強になる)な話がたくさん聞けます。柳下さん「ナイトメア・アリー」翻訳してたのね。めちゃくちゃ面白そうだ…。

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怪物團(フリークス)

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BLACKHOLEでこの映画に触れていたので、ずっと前から気になっていたけどやっと観ることができた。「フリークス」で知られているが、アマプラでは日本公開当時のタイトル「怪物團」で配信されている。結婚式のシーンでみんなが合唱する歌はサウスパークやビッグバン・セオリーなどでパロディにされてるらしいけど、たしかにキャッチーで合唱したくなる。We accept her one of us, one of us, gooble-gobble, gooble-gobble.... 展開も「ナイトメア・アリー」に通じるものがあり。

 

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Amazon Primeで観た犯罪ドキュメンタリー2本

アマプラのほかに、hulu、U-NEXTでも観られるみたい。

カルト教団:ウェイコ事件の真相 -狂気 or メシア-

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左がデビッド・コレシュ スピルバーグの若い頃に似ている

Netflixの「マンハント」の中で、FBIがウェーコの二の舞は避けたい、と何度も話すのを覚えていて、ウェーコ事件てなんだろと思ってたところで見つけたシリーズ。デビッド・コレシュを教祖とする新興宗教団体ブランチ・ダヴィディアンが武装しているという情報を得たをFBIとATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)が施設を包囲。結果、建物内に火の手が上がり、多くの子どもを含む80人近くが死亡した事件。

 

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「The Sinner 隠された理由」「ユニークライフ」「フォーティチュード/極寒の殺人鬼」

アマプラでブリティッシュ・ベイクオフを見ながら食事をする毎日。NetflixとStarEXでシーズン単位で観たもの。

  • The Sinner 隠された理由(Season 4)
  • ユニークライフ(Season 1)
  • フォーティチュード/極寒の殺人鬼(Season 1)

 

The Sinner 隠された理由(Season 4)

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Netflixの人気シリーズ。過去のトラウマや関わった事件のせいでSM(のM)にはまっていたり、自殺願望の強い刑事。精神的に崖っぷち刑事、は女性の担当かと思ってたけど、これは珍しく男版。前シーズンの事件を引きずったまま休暇のつもりで訪れた海辺の観光地で、もう退職したのにまた殺人捜査にのめりこんでしまう。夏場はにぎわうけど、それ以外は閑散とした港町の狭い人間関係と、地元やくざのような漁師一家。「アフェア 情事の行方」の舞台モントークを思い出す。今シーズンも安定感あり。苦しむビル・プルマンをにやにやしながら観る。

 

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「インベスティゲーション」

インベスティゲーション

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何も知らずに観始めたら、とにかく地味で、捜査は遅々として進まない。タイトルに「捜査」とシンプルにつけられているとおり、ひたすら地道な作業が続く。これが決めてになるか!と思ったら、はいダメでした、の連続。電話がかかってくるたびに、朗報を待つチームの微妙な顔が印象的。現実の事件捜査とはこういうものだぞ!ドラマとは違うんだ、と言われてるかのよう。犯罪ドラマに欠かせない刑事同士や周辺の人間の愛憎劇はほぼまったくない。にもかかわらず、次のエピソードを観たくなってしまう不思議。

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「マンハント」「瞳の奥に」

Netflixオリジナル2本。

マンハント

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手作り爆弾を仕掛けた郵便物を開けた人々が死亡または重症を負う連続殺人事件。FBIはマスコミや被害者からの批判にさらされながら、「ユナボマ―」と名付けた犯人を17年ものあいだ逮捕できずにいた。フィラデルフィアの警察官出身で、苦労の末にFBI捜査官となり、この事件の捜査に参加したフィッツは、上司や同僚からのプレッシャーと逆風にもめげず、まったく新しい方法で犯人逮捕の突破口を見つけるが、事件にのめりこむあまり私生活は崩壊していく。

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「ドント・ルック・アップ」「ロスト・ドーター」

Netflixオリジナル映画2本。

  • ドント・ルック・アップ
  • ロスト・ドーター

ドント・ルック・アップ

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個人的に、Aリスト俳優がぞろぞろ出演する映画が面白かった試しがない。たとえ大好きな人たちだとしても、いつも散漫な印象で終わる。なので、これも観ないなーと思ってたけど、観るなら今しかない類の内容らしいので、今月ネトフリ解約するし、観とくか…と何度も中断しながら最後まで観た。

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