virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

Netflixのオリジナルドキュメンタリーに星付けてみた(随時更新中)

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※随時更新しています。

 

Netflixは作品ページに評価がついていないし(イマイチとイイネは何に使用されているのか?)、ほかの配信サービスと同様、おすすめがあまり当てにならない。どんどん投入される未知な作品を観るかどうか判断する目安がないのはとても不便。特にドキュメンタリーは、数少ない話題作以外は宣伝もされずに放置されているので、選ぶ基準がない。Netflixだけでなく欧米のドキュメンタリー全体に言えるのは、情報公開と発言の自由がもたらす作品のパワーが、日本と比べると別の惑星レベル…に尽きる。傑作がひっそり座ってるのに、知らずに通りすぎるなんてもったいない! 海外では話題になっていたり、なんとなく気になった作品を地道に観ているので、勝手に星付けしてみた。星付けってどうなの、とも思うけど、視聴者の評価を基に決めていると思われるU-NEXTの星付けには納得することが多く、大量にある中から面白いものを見つけるためには参考としてあったほうがいいかな、という立場です。ここでは決めてるのは自分1人だけですが…。ほかの人が同じことやってたら見てみたい! 作品ページのリンクはタイトルに貼っています。すでに別記事で感想書いてるものは紹介文内からどうぞ。

 

対象作品:Netflixオリジナルドキュメンタリー。単発とシリーズ含む。【M】=単発 【S】=シリーズ

好みの傾向:エグい取材力が堪能できる作品。犯罪捜査多め。

星の見方:

★★★★★=超絶面白い。

★★★★=かなり見ごたえあり。

★★★=おすすめ。

★★=私的に期待はずれ or 途中で止めてしまった。

手あたり次第に観ているわけではないので、大きな外れがないから今のところ★1はなし。

★★★★★

殺人者への道【S】

Netflixが日本で始まってから最初に超ド級に衝撃を受けたシリーズ。現在進行形の事件なので、製作側もどんな展開になるのか分からないまま撮影するという異例の作品だ。人は好さそうだが二面性もありそうな田舎の兄ちゃんは本当に犯人なのか?二転三転する展開と、警察の汚い手法に驚く。

 

マイケル・ジョーダン:ラストダンス【S】

ジョーダン伝説をあますところなく堪能できる。引っ張り方も上手いので「次のエピソード」をクリックする手が止まらない。ドラマチックすぎる! 元チーム関係者たちのせきららな語り口も含めて、なにもかもがエンターテインメント。

 

イカロス【M】

ロシアのドーピング疑惑を暴くアカデミー賞受賞作。なんせ相手はロシア政府なので、本人も協力してくれたロシア人も、無事なのか気になってしまう。

 

オクトパスの神秘:海の賢者は語る【M】

1匹のタコとの出会いで救われた男の物語。こちらの記事に書いてます。

 

サムの息子たち 狂気、その先の闇へ【S】

警察がクローズした有名なSon of Sam事件の真相を追うシリーズ。点が線でつながる面白さもあるが、記者モーリーの孤軍奮闘にスポットを当てた構成がみどころ。切ない。こちらに書きました。

 

★★★★

コンフェッション・キラー 疑惑の自供【S】

何百件もの殺人事件について自白したヘンリー・ルーカスの供述は嘘だらけ。貧しい生活を送っていたヘンリーは、自供すると周りからちやほやされるため、どんどん嘘の供述を重ねていた。簡単に未解決事件を片付けることに味をしめたテキサスレンジャーは彼の機嫌をとって誘導していく。自供が多いほど、自分の手柄になるのだ。喜んで自白する容疑者と、容疑者を映画スターのようにもてなすレンジャー。そして警察はその自供を検証することもなかった。この手のドキュメンタリー観てると、一番邪悪なのは警察や司法じゃないかと感じることが多々ある。文字通り、Making A Murdererだ(Netflixのドキュメンタリー「殺人者への道」の原題)。森本毅郎が日本から取材にきた映像も使われていて、絵具をプレゼントしている。差し入れというよりプレゼントと言ったほうがあてはまるような雰囲気(=異様)。

 

ロバート・ケネディを大統領に【S】

兄のJFKよりも骨太な政治家だったのを知らなかった。最初はマイノリティへの理解が足りなかったり、赤狩りへの関与という過去もあったが、話を聞くことで自分の考えを変えてよりリベラルな方向へ転換したのは、政治家として真摯で信頼できる。今でも事件解明のために動く元側近がいたり、涙ながらに当時のことを話す人々がいる。いずれ暗殺されることが分かっていたのか、表情は穏やかで、倒れたときに口にしたのは「みんな大丈夫か」だった。犯人として服役している人物はまだ存命で仮釈放申請中とか。なんかふわふわしたことしか言わないし、もっと追及できるんじゃないかとやきもきしてしまう。

 

ザ・ファーマシスト オピオイド危機の真相に迫る【S】

息子を殺された薬剤師が、警察にもFBIにもDEAにも頼らず、殺人事件の犯人と、オピオイドを不正処方しまくる医師を突き止める。おじさんが有能すぎてドラマのよう。一介の市民がここまでやれる社会、という見方もできる。こちらに書きました。

 

フィアーシティ ニューヨーク対マフィア【S】

70年代の荒れたニューヨーク、大好き。市は財政破綻寸前で、ブロンクスは戦場のようだった時代。マフィアが街を実質的に牛耳っていたのは映画の中だけではなく、現実だった。地価も家賃も高騰し続けてすっかりきれいになった今から考えると、変化がダイナミックすぎて隔世の感あり。

 

ナイト・ストーカー シリアルキラーの捜査禄【S】

80年代LA中を震え上がらせた連続殺人事件の顛末を追う4話構成。誰もが認める有能なベテランと、大抜擢された元チンピラのラテン系刑事のコンビが、捜査過程を詳細に振り返る。こちらに書きました。

 

ワイルド・ワイルド・カントリー【S】

カルト集団が街を浸食する過程が怖い。集団内部だけでなく、外の世界との対立も描かれているのが面白い。

 

ビクラムの正体: ヨガ、教祖、プレデター【M】

有名なビクラム・ヨガの創始者がまるでカルトのグールーのような最悪な支配者だった。女性たちによる告発の物語。

 

消えた16mmフィルム【M】

シンガポールで仲間内で撮影した自主映画のフィルムが、メンバーのひとりだった白人男性によって持ち逃げされる。後に行方を探すと…。彼女たちが撮影した映画の断片が本当にかわいくてセンスよすぎ。

 

猫イジメに断固NO! 虐待動画の犯人を追え【S】

素人ネット探偵たちが猫の殺害映像から犯人を探し当てる荒業。こんなネットワークがあったとは。見つけたものの、探偵たちが後味の悪い思いをする展開もみどころ。

 

ザ・ステアケース 〜階段で何が起きたのか〜【S】

階段から落ちて死亡した妻は、作家である夫に殺されたのか、事故なのか?古いミステリ小説みたいだが、捜査中に作家とその家族が徹底的に調べられてさらされる様子がいかにもアメリカ。またこの作家も神経が太いというか、強いというか。

 

ジム&アンディ【M】

アンディ・カウフマンは80年代に活躍したエキセントリックなコメディアンだ。生放送に出演したものなら放送事故を起こす確率大。彼を演じる役をオファーされたのは同じくキワモノでカウフマンを尊敬するジム・キャリー。これ以上ない組み合わせだが、撮影が始まると、カメラが止まっても役が抜けない。ずっとアンディになりきってるジムに、現場は困惑する。これ実際その場にいたらけっこう怖いだろうなぁ。ジム・キャリー最高。ちなみにアンディを演じた映画は「マン・オン・ザ・ムーン」。REMの同名曲がいつ聞いてもなんか泣ける。

 

★★★

ユナボマー 自らの言葉【S】

Netflixオリジナルではないけれど、「マンハント」とセットでみると面白いので、例外として載せておきます。

Netflixで配信している「マンハント」を観たあとで直行。ポール・ベタニーが演じたユナボマーはかっこよすぎたので、本人はどんな人かと思ったら、甲高い声でまくし立てる、人好きのしない人間だった。本人への獄中インタビューの音声を挟みながら、事件のサバイバーやFBIの捜査官などが逮捕までの過程を振り返る構成。残念ながら「マンハント」で主役だったフィッツ本人は登場しない。「マンハント」ではあまり描かれなかった近隣住民の話を聞くと、一見物静かで無害にみえても、ちょっと不気味な存在だったことが想像できる。「マンハント」はだいぶユナボマーの人間的な面を強調して作られたんだということがしみじみ分かる。

 

ソフィー ウエストコーク殺人事件【S】

アイルランドの辺鄙な街で起こったフランス人女性殺害事件。容疑者はイングランド出身のジャーナリストで、自己顕示欲の強い男だった。辺境にありながら、ヨーロッパ各国からの移住者を惹きつける寛容な街の住人たちは事件解明に協力するが、事態は二転三転する。ほんとに事件って生き物。

 

事件現場から タイムズスクエア連続殺人事件【S】 

「事件現場から」はシリーズ化してるみたい。前回のセシルホテル失踪事件同様、事件が起きたエリアにもフォーカスしているのが面白い。80年代のいかがわしさマックスだった時代のタイムズスクエア。今はディズニファイされてるけど、昔からあるバスターミナルの辺りはまだちょっとさびれた感じがした記憶。夢と希望を胸に全国から集まってきたキレイな女の子たちが、売春婦になり果ててしまうのは、「ラストナイト・イン・ソーホー」のソーホーと同じ…。

 

ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者【S】

それほど突っ込んだ内容ではなかったけど、被害者女性たちの証言に長く時間が割かれている印象。人によって反応は様々なことが分かるし、みんなとても正直に話しているのがすごい。人心掌握に長けた人間は、自分のために動く人間や、獲物をすぐに見分ける。刑務所に入ってすぐに死ぬなんて許せん…。

 

事件現場から セシルホテル失踪事件【S】

事件をネタにあれこれ騒ぎ立てるユーチューバーとネット探偵が不快すぎるものの、セシルホテルが位置するエリアが興味深い。こちらに書きました。

 

アメリカン・マーダー 一家殺害事件の実録【M】

警察官が第一報を受けて家を訪ねてから常に撮影している映像や、取調室の監視カメラ映像、裁判中の映像、被害者がFacebookで公開していた映像と写真だけで構成された1時間半程の作品。すべてにアクセスして公開できる強み。たいていこのパターンだと今や誰でも知ってる展開だけど、隣人が鋭い。

 

キャッチング・キラーズ 連続殺人犯を追いつめた刑事たち【S】

4話構成で、3つの事件を振り返る。短いので犯罪捜査ものとしては軽め。EP2の女性連続殺人犯アイリーン・ウォーノスは、シャーリーズ・セロンが主演・製作した映画「モンスター」の題材。男性の殺人犯も悲惨な境遇で育ったケースは多いが、女性だとちょっと同情してしまう。

 

UNTOLD 極限のテニスコート【M】

テニス観戦が好きなので、スポーツ界の裏側を描くUNTOLDシリーズのテニス編を観た。アメリカのテニス選手はプレッシャーがすごいんだな…。現役中に不安障害を告白したマーディ・フィッシュが語る厳しいテニスの世界。逃げてはダメだと子供のころから教え込まれて育つと、余計に苦しくなる。今はトレーニングの仕方も変わっているはずだが、異常な競争心がないと勝てないのはいつの時代も同じなので難しい。キャリア終盤で身体とトレーニング方法を変えてランキング上げるってほんとすごいのに、それを成し遂げた後にメンタルがやられるって…。テニスって試合始まると2時間、長いと5時間、審判以外誰とも話さない極限状態になるので、いい加減セット間はチームと話せるルールできないかな(訂正:2022年から、コーチングが可能になりました)。トップ中のトップではない選手たちの経験をじっくり聞く機会ってそんなにないので面白かった。もっとこういうの増えたらいいのにな。

 

アマンダ・ノックス【M】

アメリカ人女性がイタリアで殺人容疑者として逮捕され、大きな話題になった事件。ふてぶてしい応対が余計に人々をあおった。誰でも知ってる事件として普通の映画でも触れられたりするので、観ておいてもいいかも。

 

 

邪悪な天才 ピザ配達人爆死事件の真相【S】

人を操る天才。女性サイコパスものは珍しいかな。

 

ミス・アメリカーナ【M】

テイラー・スウィフトのことをよく知らなかったので、めちゃくちゃかっこいいじゃん!という収穫。

 

未解決ミステリー【S】

まだ1話しか観てないけど、丁寧に未解決事件を紹介しているので、合間にちょこちょこ観たい。

 

CALI K9: どんな犬でもしつけます【S】

犬のしつけ番組で有名な人といえばシーザー・ミランだが、CALI K9のトレーナーは、ラフな環境で育ったムスリムの黒人男性。彼の人生観が仕事に大きく影響している。犬をしつけるだけでなく、飼い主たちのメンタルも調教するようなパワフルさがある。犬にとっての幸せって、人間のように可愛がられることではなく、群れ(家族)のなかでの序列を守ることなんだなぁ。

 

★★


都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点【S】

化粧っけもなく、ジャケットとパンツのトラッドな(おじさん)スタイルでNYの街をゆっくり闊歩する作家フラン・レボウィッツ。「ユーモアのある毒舌」と紹介されているので、人を笑わせる愚痴大好きだから観てみたら、あまり笑えなくてがっかり。話のテンポが悪いのか(噺家じゃないんだから)、思ったよりキャラクターが硬いのか(芸人じゃないんだから)。ぶつぶつと途切れていて、構成と編集が悪いのかもしれない。完全に好きなネタだと思ったから期待はずれなだけかも。人気のNYセレブなんだなーということは分かる。4話まで観て止めてしまった。

 

ウィン・ハンドマン 名優を育てる演技指導【M】

マイケル・ダグラスリチャード・ギアクリス・クーパーも手ほどきを受けた伝説の演技指導者。めちゃ面白そうだと思ったら、テンポが悪すぎて半分しか観られなかった。途中から倍速してもギブアップ。2時間あるけど、1時間だったらもっと良かったのかも、って、全部観てないけど…。後半面白いのかしら。

 

 

これから観たい作品・ネトフリ以外

見ごたえ重視すると、どうしても犯罪系ばかり選んでしまう…。

  • レインコートキラー ソウル20人連続殺人事件
  • ヨークシャー・リッパー 猟奇殺人事件の真相
  • 犯罪事件簿 インドの悪に挑む者たち
  • キーパーズ(初期から入ってる作品だけどずっと見逃している)
  • FYRE(評判だけどまだ観てない)
  • ネバーランドにさよならを(特にMJファンでもないけど観る勇気がまだでない)

Netflix以外のドキュメンタリーも含めてこちらにまとめています。感想書いたHBOの3シリーズは星付けるならすべて力強く★★★★★だな。ドキュメンタリーばかり観てるとドラマから遠ざかってしまうのが悩み。