virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

「The Sinner 隠された理由」「ユニークライフ」「フォーティチュード/極寒の殺人鬼」

アマプラでブリティッシュ・ベイクオフを見ながら食事をする毎日。NetflixとStarEXでシーズン単位で観たもの。

 

The Sinner 隠された理由(Season 4)

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Netflixの人気シリーズ。過去のトラウマや関わった事件のせいでSM(のM)にはまっていたり、自殺願望の強い刑事。精神的に崖っぷち刑事、は女性の担当かと思ってたけど、これは珍しく男版。前シーズンの事件を引きずったまま休暇のつもりで訪れた海辺の観光地で、もう退職したのにまた殺人捜査にのめりこんでしまう。夏場はにぎわうけど、それ以外は閑散とした港町の狭い人間関係と、地元やくざのような漁師一家。「アフェア 情事の行方」の舞台モントークを思い出す。今シーズンも安定感あり。苦しむビル・プルマンをにやにやしながら観る。

 

ユニークライフ(Season 1)

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2000年前後くらいにYahooの映画掲示板で知り合いになった人(ネットがのどかな時代だったな)に勧められて観たNetflixシリーズ。現題はAtypical(「普通ではない」)。高機能自閉症を持つ青年とその家族のドラマ。以下文部科学省の定義。「高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。」ちなみに、英語ではHigh functioning autismで、カンバッチのシャーロックは自分のことをHigh functioning psychopathと言ってたな。

 

ペンギン好きで記憶力がいいけれど、相手の感情が分からず共感もしないので人間関係を築くのが難しい。日常生活には問題はないが、本人が孤独を感じたり、仕事がうまくこなせないこともある。コメディなので笑えるシーンがほとんどだが、家族が抱えるリアルな悩みがぽんぽんでてくるので、なるほどなぁと思うことも多い。例えば、自閉症の子どもを持つ親の会に夫婦で参加して、父親が何か言うと、やんわりとそれは違いますよ、と諭される。自分の理解が追い付かないもどかしさと、理解したい気持ちが混ざって行き場のない感じ。

 

がんばりすぎな母親、ちょっと疎外感を感じている父親(クマさんみたいなマイケル・ラパポートがいい)、主役の男の子も本当に自閉症に見えるくらい上手い(本人はイギリス人でメタルバンドで歌っているとか)。でも一番輝いてるのは、お姉ちゃん! 弟思いだがボーイッシュで口が悪くてかっこいい。

面白いのだけど、この調子のコメディなら30分が良かったな、と思う。1話がちょっと長いかも。シーズン4までネトフリで配信中。

 

フォーティチュード/極寒の殺人鬼(Season 1)

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StarEXで見つけた、閉ざされた北極圏の島で起きる怪奇殺人事件ドラマ。スターてんこ盛り(デンマークの傑作ドラマThe Killingの主演女性も)だが、内容も盛りすぎな印象。マンモス、ホッキョクグマ、狭い人間関係、地元民vs移住者、孤島の事情、ヘンな村民たち。地味な殺人捜査ものが好きなので、センセーショナルな演出がちょっと鼻につくけど、最後まで観た(12話って長いね)。そして当たり前だけどみんな英語を話してるのがどうしても気になる。イギリス人俳優ばかりならわかるけど、北欧訛りの人と、明らかなイギリス訛りの人が共存してみんな地元民設定なのが最後まで違和感があった・・。イギリスから移住してる設定の人もいたけど、みんな元は移住者って設定だったのかしら。S2も1話だけ観てみたけど、ちょっとしんどかったので止めた。

 

とはいえ、僻地ならではの問題は興味深い。予算が引っ張れなくて四苦八苦したり、みんなお互いを知ってるし(不倫多し)、ワケありな移住者がいたり、そもそもこんなとこで連続殺人事件があっても警察は対応できんだろ、とか。結局、主役の警察官が気持ち悪くて、それが観続けるのが苦痛だった原因な気がする。こんなところで独身でいるのは不可能だろうなぁ。実際に孤島に住んでる人たちが見たら、どう思うんだろう。