virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

上海マスターズ 2023 観戦記

 今年7月のBåstad(ボースタッド)に引き続き、4年ぶりに開催された上海マスターズを観戦しました。上海に滞在したのは10/2~10/10(11日1am)で、観戦したのは予選2日目の10/3から10/10。10/9までの予定が、思いがけず1日延長することになり…。ツイッターのファン仲間たちに会えたり、現地で偶然知り合いになった人々に助けられたりで、にぎやかな8日間だった。

 コロナ明け初の開催なので、2019年までの情報は当てにならず、中国渡航のあれこれも含めて何もかもが「行ってみないと分からない」手探り状態。以下は2023年度の情報なのでご了承ください。

 値段は元表記です。1元=22円。

 

現地に行くまでの経緯

 ボースタッドは大変楽しかったものの、250なので観戦できた選手は少なかった。そしてまだダブルスを見ていない(Rublanov)。上海は一番近くて時差も1時間、フライト代も安い身近なマスターズなのでずっと心の隅にはいたものの、観光ビザがいる、日本のクレカは使えないので支払いアプリが必須、など中国渡航独特の事前準備が大量にあり、なかなか重い腰が上がらなかった。結局決め手は、こんな近くにみんな来るのにスクリーンで悶々としながら見るのに耐えられないと思ったから。またもや1カ月を切ったギリギリになってから準備開始。

 観光ビザはオンライン申請から2度の中国ビザ申請サービスセンター通いを含めて10日ほどで完了。申請の予約はマメにチェックしていると空きが見つかった。アリペイやWeChat、通信関係はまた後ほど。

 ちなみに私は中国に行くのは初めて。好奇心はあったものの、人生で中国に行く日がくるとは正直思ってなかった(テニス愛のなせるわざ)。妹は独学で中国語を勉強していたことがあり旅行にも行ったので聞くと、普通に親切だよ、と言われるも、いくら上海でも街中ではあまり英語通じないだろうし、どうなることやらと思いながら出発。

 

アクセス

フライト

 東京ー上海間は様々な航空会社が飛んでるので選択肢は多いけど、直行便で安いPeachを選んだ(往復6万円台)。大会前半をメインにするのは決まっていて、一番安い日を選んだらこの日程に。上海マスターズも前週の北京も国慶節にひっかけて開催されていて、上海マスターズは国慶節の後半が1週目と重なる。旅程を少しでもずらすと10万円を超えたので、フライト代が安かったのは人の流れと逆行する日程だったからだと思う。行きも帰りも乗客は20人以下で私以外おそらくみんな中国人だった。来年も似たような日程で開催されるので、これは覚えておいてもいいかも。

 Peachは羽田発なのはいいとして、2:45am発5am浦東空港着という過酷な時間帯。体力的になかなか厳しいけれど、到着日しかフル観光はできないので、早朝到着後、夕方まで外灘や田子坊などを散策した(豫園は人混みがすごくて断念)。帰りは1am発なので、会場で観戦した後、空港に直行する予定。ナイトセッションを見たい場合はちょっと厳しい時間かもしれない。

 Peachにして正解だったのは、滞在を1日延長することになったとき、差額20円で翌日便に変更できたこと。これは本当に助かった…。

何もかもがデカい。連休中(ゴールデンウィークと呼ばれていた)なので、中国各地から観光客がたくさん来ている様子。

 

古い町並みを保存して観光地になっている田子坊。上海は開発が進んでいてこうした建物はほとんど残っていないとか。しかしあまりいい店がないのが残念。もっとオシャレな店が増えたらかなり魅力的な観光名所になるはず。

 

地下鉄

 上海の地下鉄は大変分かりやすく、本数も多い。東京の地下鉄に乗るのと同じ感覚で、車内はきれいだし人混みもそれほどではないのでかなり使いやすい。そしてタクシーやバスと同様に、運賃がとても安い。浦東空港から上海体育館まで1時間乗って7元だった。

 会場の最寄り駅は5号線の顓橋。ここからタクシーで10分~15分かかる。旗忠テニスセンターは上海中心部から車で1時間以上かかる郊外にあり、周りは工場や会社しかない。徒歩で行ける場所に小売店はないので、飲食物は会場内で買うか、事前に用意する(持ち込みOK)。

※この路線図は実際に上海で使われてる漢字と表記が異なります

 上海体育館駅のホテルに宿泊したので、かかった料金と時間は:上海体育館→顓橋27分、4元。

 

顓橋駅の改札を出たら左手の2号口へ。ここからタクシーや路線バスに乗る。

 

乗り換えの莘庄駅。少し大きめの駅で、駅ナカにファミマ(全家)あり。中国の地下鉄は改札の前に荷物検査がある。小さな肩掛けなどは開けて見せるだけだが、それ以外は必ず機械に通す。

 

地下鉄にどうやって乗るか、それが問題だ…と行く前は心配だったけど、アリペイのQRコードをかざしてスイスイ。切符を買うことはなかった。発券機が並んでいるけど誰も使ってない。

 

 地下鉄で注意なのは終電が早いこと(駅や平日・週末で変わる)。例えば、会場から21:30のシャトルバスで上海体育館に向かうと、渋滞具合にもよるが到着するのは22:30くらいになる。そこから地下鉄でほかの駅に向かおうとすると、平日は路線によっては22:37が終電だったりする。そもそもナイトセッション2試合目が終わってから乗るともっと遅くなるので、上海体育館からはどこに帰るにもタクシーに乗ることになる。週末は0時過ぎまであるし、路線バスの最終時間は分からないけれど、基本タクシーに乗るのが前提と考えたほうがいいかも。

 

地下鉄車内。車両間に扉がなくて、ずっと奥まで見通せる。みんな携帯見てるのはどこも同じ。

 

タクシー

 上海のタクシーは大変安い。アリペイのTransportからTaxiか、ミニプログラムのDiDiを選んで行き先を入力する(英語でも漢字でもOK)。実際使ったときのスクショはないけど、こんな感じで、日本の配車アプリとほぼ同じ。手配後、車のナンバーが表示されるので、オーダーした場所で待ちながら探す。顓橋駅から会場までの値段は17~25元とバラつきがあった。所要時間は10~15分ほど。

 

 顓橋駅周辺は車窓を見てもかなり郊外だと思うけど、いつ手配しても5分以内に飛んでくる。乗り込むと中国語で何か聞かれたり聞かれなかったり。自分の携帯番号の下4ケタを伝えるとどこかで読んだので、メモに書いて見せると、よし!みたいなジェスチャーをされたり、無反応だったり。

 顓橋駅の駅前は人も交通量も少ないので必ず乗ることができるけど、会場前から乗るときは注意。6車線の広い道路で交通規制されているため、ゲートの真ん前で捕まえるのは難しい。中国人の友人と一緒にいるときに1度、自分1人で乗ろうとしたときも1度、ドライバーと会えずにキャンセルになった(アリペイ上で自動的に返金される)。道路のどちら側にいるのかも重要。特に夜暗い場合、車を探すのは大変なので、1ブロック歩いて離れた場所に移動してから手配するほうが無難かも。

 最終日、夜9時すぎに会場から直接空港に向かう際、どうやって行くか検討した結果、タクシーにした。調べると空港シャトルバスが莘庄駅から出ているようだったが、大きめの駅なので乗り場が分からずに逃すかもしれないのと、地下鉄に1時間半以上乗る気力がなかったからだ。下の写真は百度地図での検索。

 会場から高速に乗って浦東空港まで1時間かからなかった。支払い記録をみると、120元。実は空港に着いてタクシーを降りたあと、ドライバーのおっちゃんが追いかけてきた。QRコードを見せながら何か必死に訴えている。全然分からず翻訳アプリを使うと、このQRコードを読んで支払いをしろ、とのこと。おそらく高速代金。WeChatのスキャンを使ってなんとか支払いを済ませた。合計で150元ほど。

 

バス

 まずはシャトルバス。上海体育館のホテルに泊まることにしたのは、会場から夜に運行するシャトルバスの終着点だったのが大きい。実際は2回くらいしか乗らなかったけど。

 行きは莘庄駅発が11時。私は練習を見るためにいつも11時前には到着していたので、一度も乗らなかった。帰りのバスはゲートを出て右に少し歩くと待機している。頻度は正確には分からないけど、行くといつもバスが連なっていて、10分もしないうちに出発した。車内が混んでいて1本流しても、次のバスで座って待てる。

 帰りは16時以降は莘庄駅行きで、21:30以降は上海体育館駅周辺への直行便。この夜便は途中莘庄か顓橋に停まる便もあったはず。面倒だけど実は地下鉄に乗り換えたほうが早く着く。料金の2元は、アリペイのQRコードで払ったときもあれば、払わずに乗っても何も言われなかったり。その辺は適当かも。上海体育館行きは、乗車前に10元でチケットを買う

シャトルバス乗り場。看板などはないが、乗り場に係員がいる。

 

 次に路線バス。顓橋に着いてまだ時間が早かったので、試しに路線バスに乗ってみた。駅前の道路の反対側にあるバス停から乗る。漢字入力ができない文字なので、路線名と降りるバス停は写真でご確認を。今検索したら顓橋から約40分、バス停降りてから徒歩8分だった。もっと早く着いた感覚。料金は2元(現金(コイン)使えます)。ローカルバス好きな方はぜひ…。車内はキレイで電光掲示板もあるので分かりやすい。ここでバスを待ってるときに、tennis?と声をかけられて知り合った中国人の男の子と一緒にバスに乗って会場に向かうことに。

 初日の観光でもあまりの暑さに路線バスに乗ったけど、地下鉄と同じくアリペイのQRコードでスイスイ。百度地図を見ながらGPSを使って快適に街歩きができる。漢字は見慣れてるので発音はまったく分からなくてもどうにかなる。以前台湾に行ったときは全然地名や通りの名前を覚えられなかったけど、使用する漢字が上海のほうがシンプルなんだろうか。

 

宿泊

 上海体育館駅の7番出口を出て徒歩1分の錦江都城酒店に7泊した(Trip.comの漢字表記は恐らく旧名?)。こちらのブログを読んで知ったホテル。一番安い部屋でも十分広くて電源もたくさんあるし、通常のビジネスホテルにある設備はすべてある。特に水回りが広い。掃除や備品の補充も完璧。水のボトルとお茶・コーヒーは毎日補充されていた。朝食ブッフェはおいしいとは言えないけど、徐々にまずくないものを把握して同じものを食べていた。ヨーグルトやチーズなどの乳製品は食べられないまずさ。すぐ近くにコンビニや朝食を確保できる店がないので、滞在が長かったのもあり、朝食付きにして良かった。コンビニとマクドナルドは近くにあるものの、広くて渡りにくい道路をの向こう側にあり、このあたりは1ブロックが大きいせいもあって「近く」はない印象。ちなみに夜10時頃ホテルに帰っても、近所に飲食店はない。上海体育館駅の別出口には小さなショッピングセンターがあり、地下は飲食店街だが、9時半にはほぼ閉店していた。中国語が分かる人がホテル近くに小さなテイクアウトがメインの店を見つけてくれたので助かった(おいしかった)。

 

 最後に急遽1泊延長して滞在したのは、莘庄駅から徒歩8分の如家酒店上海市内にたくさんあるチェーンホテルのひとつ。日本の宿泊サイトでは見つからなかったので、公式?のリンク貼ってます。日本でホテルを探している最中、会場から近いエリアのほうがいいのではとこのあたりも検討したけれど、ローカルエリアなので様子が分からず、候補から外した。ツインで5000円しないくらい。一見普通のビジネスホテルだが、鍵もベッドも安っぽく、エレベーター脇に灰皿があるので禁煙部屋もタバコ臭いのであまりおすすめはできない。まあまあ清潔ではあったけど。チェックインに外国人の私だけえらい時間がかかったのはちょっとヒヤヒヤした。現地で出会った中国人の若者3人組から一緒においで、と誘われたから泊ることができたけど、初中国でひとりで宿泊するにはハードルが高い宿だったと思う。彼らは翌日ホテルを変えたので、やはり気に入らなかったみたい。中国に慣れてる、あるいはあまり気にしない人には安くて近くていいかもしれない。ここから会場まではタクシーで20分くらい?

ホテル周辺。莘庄駅は郊外だが少し大きめの駅で、夜遅くても開いている飲食店がたくさんあるし、スタバが入っている小さいショッピングモールもあり。もう少しマシなホテルがあれば、この辺に滞在したい。ただ、宿泊予約サイトで部屋を見ても実際と違ったりするから難しい。ファン仲間の中国人の子は顓橋のホテルに滞在して、レンタル自転車で会場に通っていたのでどこに泊ったか教えてもらったけど、最悪だったらしいのでここでは紹介できない。

朝9時頃、ホテル周辺をパトロール。八百屋から美容院、宝石店まですでに開店してるので驚いた。人出も多い。朝型社会なんだろうか。上海は日本の3大コンビニ、セブンイレブン、ファミマ、ローソンがたくさんあるが、中国のコンビニ「良友(Buddies)」が気になってたのに入りそびれた。そして写真も撮り忘れた。

部屋の写真撮り忘れたので、ロビーにいた猫でごまかす。

 

チケット

 ここは現地に行ってみて初めて分かったことが多い。これから私が経験したごたごたを報告するけど、あくまで自力でチケットを手配したい人向けであって、こんな面倒なことをしなくてもいい方法がある。それはご存じチャイナエイトさんにチケット手配してもらうこと。YouTubeにも出演してるスタッフの方が現地に来ていたらしく、当日依頼してもOKで実に便利そうだった(手数料は何%かかかる)。これから書くことも、私の記憶と経験によるもので、間違っていることもあるかもしれない。そして2024年以降はどうなるか分からないので、ご参考まで…。

 

日本での事前準備

 私が事前に用意したのは、公式サイトにリンクされていたJuss Sports(英語版サイト)から購入できるチケット。当初は中国語版のアプリでしか購入できなかったので、外国人はどうするんだ!の声に反応したのか、だいぶ遅れて発表された(実際、現地に外国人は少なかった。それも海外遠征組ともなるとさらに少なそう)。渡航前に購入できて安心できただけでも良しとする。登録後、座席もシートマップから自分で選んで、クレジットカードで決済できた。電子チケットと記載されているが、購入後QRコードが発行されるわけでもなく、現地でどうやって入場するのかまったく不明だった。顔認証システムを採用しているとどこかで知ったが、外国人はどうなるのか? 問い合わせメールをすると、大丈夫!パスポートがあれば入れるよ!とフレンドリーな返信。チャイナエイトで購入した人も同じことを言われたらしく、うーん分からん状態のまま現地入り。

 購入したといっても全日分買ったわけではなく、とりあえず国慶節ウイークでセンターコートが売り切れ間近だった最初の土日までの分などを適当に。現地で買えばいいでしょと思っていたのが甘かった。ちなみに、1週目はパッケージチケットが完売してたのもあって、座席はけっこう埋まっていた。パッケージチケットは英語版サイトでも選べるようになっていたが、私が見たときはすべて完売だった。

 ちなみに、予選の2日間は60元で入場できて、物販で買い物をしたら60元値引きしてくれるので実質タダになるという素敵なサービスあり。予選日も集客する良い作戦。

英語版で購入した画面。

 

現地でチケットを買う

 上海に到着してからアリペイもネット環境もこのうえなく順調で怖いくらいだったので、楽勝モードで意気揚々と予選日2日目の会場へ到着。ただ、この日のチケットは用意していない。英語版サイトでは購入できなかったからだ。でも入口にはチケットオフィスがある。ここで買えるだろう…。以下のやりとりの流れは箇条書きで。

  • ここでは一切チケットを販売していないと判明。予選日のチケットは中国語版の久事体育(Juss Sports)アプリで買うしかない。
  • (お兄さん)WeChat持ってる? 僕が全部操作するので任せて。
  • (お兄さん)あ…中国の携帯電話番号が必要。え? 持ってない? 誰かその辺の人を捕まえて、番号を借りて。SMSを受信して承認してもらうだけだから。誰か見つけてくれたら、あとは僕がやってあげる。
  • マジか…。中国人のファン仲間に一応連絡できるけど、今日は外出しててすぐに返信できないかもと言われてるし、どうしよう(きょろきょろ)。
  • 招待されたけどどうやって入場するの分からないという白人女性が後ろに並んでいる。彼女におずおずと頼むと、二つ返事でいいわよ、と快諾(面倒よね、分かるわ、な顔)。女神!
  • 無事予選日のチケット購入完了。

 そして本選2日目、この日のチケットも事前購入していない。英語版サイトから買おうとしたら、完売の文字。焦ってまた相談に行く。スタッフの女性が中国語版で確認すると、まだ座席はある。なぜか英語版と食い違う。このアプリおかしいんだよね…と苦笑。周りのスタッフがわらわらと集まってくる。中国語版で購入することになったけど、初日はスタッフのお兄さん任せで自分でやり方が分からなかったので、今度は一緒に買い方を確認した。なぜか時間がかかったけどなんとか購入完了。握手。スタッフの女性は「諦めなければ必ずできる!」と興奮気味で、周りで見てたスタッフたちも拍手してくれた。

 なんであんなに盛り上がったのか、今思うと不思議だけど、そういう空気だった。チケットオフィスや顔認証の手続きを行う場所、インフォメーションや物販にいる英語でコミュニケーションをとれる若いスタッフたちは皆親切で、外国人ならではの問題があると、申し訳ないという様子でめちゃくちゃ一生懸命対応してくれる。

 今思うと、中国語版にアクセスできたなら、入場券だけ買えば良かった…(1回戦はセンターコートで見る予定がなかったから)。この後は中国語版サイトから自分でほいほい買えるようになった。ただ、私が購入するたびにあの女神さまにSMSが送信されていたのかもしれない…。

中国語版の久事体育アプリ。

 

これは来年以降も同じシステムかもなのでまとめておく。英語版は改善してほしいけど。

  • 現地でのチケット直接販売はなし
  • 販売は久事体育(Juss Sports)アプリ経由のみ
  • 中国語版(久事体育)から購入するには、中国の携帯番号が必要
  • 英語版(Juss Sports)で買えるのはセンターコートのチケットのみ(予選の入場券、本選の入場券、3号館チケットは購入不可)

 外国人が中国語版から購入する方法は、知人から借りる、電話番号付きSIMを使う、だろうか。

 で、WeChatでの久事体育アプリの使い方。検索して久事体育Appに「・・・」をクリックしてスターを付けたあと、チャット画面の検索入力バーをすーっと下にドラッグすると、スターを付けたり最近使用したアプリの一覧が現れる。

 

 一応アリペイも。多分アリペイからも買えると思うけど未確認。アリペイのトップ画面で「久事体育」と検索→開いたら右上の星印をクリック→トップ画面のMy Mini-Programを開く→My Favoritesに表示されるので、いつでもここからアクセスできる。アリペイとWeChatはライバル関係にあるらしいけど、現地の人はいつもWeChatを使ってる気がするなぁ。

 

チケットの種類とアクセス
  • 予選の入場券:すべてのコート(3号館は使われてなかった?)
  • 入場券:練習コートと2号館のみ
  • センターコート(昼夜入替制。指定席):3号館以外のすべてのコート
  • 3号館コート(指定席):センターコート以外のすべてのコート
  • VIP席

※チャイナエイトのサイトには2号館チケットがあると記載があるけどこちらは未確認。

 この3号館コートというのがクセもの。というのは、観たい試合が3号館で行われる場合、すでにセンターコートのチケットを持っていても、別途購入が必要になる。スケジュールが発表されるのが前日。雨予報が出ていなければ試合が組まれ、当日朝8:30に発売される(発売時間は変わることもあり)。確か3号館が使用されるのは3回戦までだったかな。ルブレフはシード上位選手なのに3号館に組まれることが多く、私が観た3試合はすべて3号館だった。ファンの間では、3号館のチケットを売るためではないか疑惑も。指定席のため、最初はいい席が買えるかとどきどきしてたが、販売開始時間に買えば余裕で購入できた。席は移動できるので気にしなくてよし。

 事情が分からなかったし、スケジュールが出る前日まで観たい試合がどこで行われるか分からないので仕方ないが、振り返るとこうしておけばよかったなと思う点がいくつかある。観たい選手によって戦略は変わるけど私の場合。

  • 1回戦はbyeなのでセンターコートを買わなくてもよかったかもしれない。でも1週目の土日までは混んでいるので、値段も安いしほかの選手で観たい試合があったときのために買っておくのもよい。
  • 1~2回戦あたりはまだ選手もたくさんいるので、入場券だけでも練習や試合を楽しめる(練習コートで見たい試合をやるかも)。
  • 2週目以降は当日でもセンターコートは買える。3号館はセンターコートに次いで注目の試合が組まれるためここがメインになる可能性もあるから、前日にスケジュールが出てから決めても良かった。準決勝以降は完売している可能性あり。2階席(VIP席以外のすべての席)はどこから見ても遠いとも言えるし、割と見やすいとも言えるので、微妙なところ。
  • VIP席も当日購入できる可能性が高い。2回戦なら1050元なので、どうしても近くで見たい、試合後にサインが欲しい場合は奮発する価値あり。

 

会場内

入場方法

 来るまでずっと謎だった、外国人はどうやって入場するのか問題。結論から言うと、「パスポートがあれば入れる」はその通りだった。ゲートに着くと顔認証の機械が並んでいるが、私たち外国人は左のほうに案内され、下の写真の看板を通り過ぎ、白いテントに向かう。ここでパスポートを見せて、顔認証システムに顔データを読み取らせる。ここでやることはそれだけ。センターコートと3号館に入る前にゲートがあるので、顔認証システムに顔を見せると、チケットを購入していれば名前が表示されてゲートが開くし、購入していなければエラーになって通過できない。つまり、白いテントの下でパスポート番号と顔データを結び付けて、各コートのゲートではチケット購入時に入力したパスポート番号と顔データを照合するのだ。顔パスで自由に出入りができるので、これはとても楽でよい。

ゲートを通過すると、今度は荷物検査。やり方は空港の保安検査と同じ。

 

ちなみに、荷物検査エリアの右奥に大きな荷物を預かってくれる場所もあり。無料。係員が常駐していて、途中でスーツケースの中の物を取りに行くこともできる。帰りは会場から空港に直行したので助かった。

 

会場MAP

2番ゲートが入り口。路線バスで来たときに4,5を通ったが、一般客は入れなかった。



センターコート

初めてセンターコートに入った印象は、見やすい!だった。写真は初日の1試合目。すごい歓声。MCも「初戦でこの盛り上がりです!」とあおってたけど、本当に活気があった。この写真はA+席で実際に見た感じかなり近いと思う。遠いは遠いけど、ひな壇状のすり鉢型ではなく、VIP席の上のガラス張りの席(一般販売してない)の分2階席が高くなるどんぶり型なので、それほど遠く感じないのかもしれない。

これはS席の一番前だったか。この辺ならまあまあかな。ズームしてるので実際はもっと遠い。S席に限らないけど、前に誰かが座っていると頭などで見えないこともあり。私は特にひとりで見るときにぎっしり埋まってる中で観戦するのが好きじゃないので、どっか空いてる席に移動することも…。ちょっと上のほうの席でも、空いてるほうが気楽に見れて良かったりする。

雨で屋根が閉まると天上が綺麗。まあ予想してたはいえ、センターコートにいる時間は少なかった。

センターコート内の通路。ゲートは2か所あり、各入口が円形状に並んでいる。飲食ブースはLAVAZZAやハイネケンなど、後述するフードコートに入ってる店と同じ。昼夜入れ替え制なので、ナイトセッション前には完全に追い出される(めちゃ時間がかかる)。

 

3号館

 センターコート近くに位置するこの3号館は、敷地内の奥に大きな2号館があるにも関わらず、センターコートに次いで注目の試合が組まれる屋根なしコート。そして別途チケットが必要。指定席で、ゲートは2か所あり、自分の席と反対側の入り口からは入ることができないので注意。プレイする選手にもよるだろうけど、ぎっしり埋まることはないので、指定席だが適当に移動できる。ちなみに、3号館の練習は当日のチケットがないと見ることはできなかった。

 追記:雨が降って1試合目の途中までしか行われなかった日は、その日に全額払い戻しされた。WeChatで返金確認がすぐにできて便利。

練習。近いし、見てるひとも少なめで環境良し。

 

チチパスのダブルスは盛況だった。

 

ルブレフは2回戦と3回戦、ダブルスも全部この3号館での観戦になった。観るほうとしては近いので嬉しいからいいんだけど。試合後のサインも、練習コートほどの地獄にはならず、ちょうどいい。

今回は決勝まで勝ち上がり、どちらが勝ってもおかしくない試合展開だったが、するりと優勝をさらわれた。

 

上海のメインイベントはルブラノフ。このダブルスが9日夜の予定だったが、相手の棄権により不戦勝。その夜に帰国するはずだったが、翌日の試合を見るために急遽滞在を1日延長することになった。でも、画面で見てても聞こえない2人の「ダバイ、ダバイ」のひそひそ声が聞こえただけでも来た甲斐があったー。

 

こういうの見たかった。

 

2号館

 敷地内のいっちばん奥にどっかりと鎮座しているのに、入場券だけで入れるせいか、あまり大きな試合は行われない、もったいないコート。広くて座席数も多い。来てみると、とても見やすいし居心地がいい。なぜこっちにゲートをつけて第2のコートにしなかったのか謎。

 

センターコートから続くメイン通路の脇には練習コートが並び、その先にラスボスのように木々の向こうにそびえる2号館。なのに3番手扱い。階段を上がった高台に建っているので余計に大物感がある。

 

練習コート

 練習コートは計16面。7面は座席があるので本戦の試合も行われる。練習スケジュールはweiboの公式にアップロードされる。1日に数回更新されることもあり、大変ありがたい。

 写真が大量で選べないので、周りの様子が分かりやすい写真を。

植栽できれいに区切られていて分かりやすい。

通路を歩く選手によく遭遇する。こうやって囲まれてる選手もいれば、チームと一緒で黒服なし、そして1人でふら~っと歩いてる選手も。

 

予選日から行くメリットは、たくさんの選手を見られること。初戦敗退したので見といてよかった、なんてこともある。その1、アンディは練習中ずーーーっとコーチとしゃべりながら打ってた。ちなみにおしゃべりな選手ランキングは、1位ユーバンクス(ぶっちぎり)、2位アンディ、3位ハチャノフ(練習見学を基にした私調べ)。アンディはサインはそこそこに、黒服に囲まれて去って行った。

その2、ルーネも意外に初戦敗退。練習は何度か見れたし、サインももらえたけど、セルフィーは、かなりがつがつしないと不可能だった。サーカス団員だったというコーチのラース、ポッドキャストでインタビュー聞いてけっこう好きだったんだよなぁ。まだ若いからか、ファンに囲まれても嬉しそうだった。

初戦敗退といえば、一度も見られず残念だったのはケツマノビッチぐらいかな。ほかの選手はだいたい見ることができた。

 

フェンス越しコートは、出入り口で待機する。ディミトロフも意外に?すごく人気があった。

 

練習コートでも人気選手だと入場制限がかかる。警備員のお兄さんに早く入れろとずーっとがなりたてるおばちゃんも。

ちなみに、練習を見る、サインをもらう、セルフィーをとるなどが難しい選手は、アルカラス、シナー、ルーネ、アンディ、メドベージェフあたりだったかな(1週目の週末までの話)。

 

ひとつだけ片側に屋根ありのコートがある。ちなみに全コート照明付き。練習スケジュールは更新もアップロードされるとはいえ、直前に変更されることもある。そういうときは走って探したり、誰かがweiboに書き込みしてないか、地元の人に検索してもらう。

 

ルブレフ/コーチ VS ハチャノフ/コーチのダブルスも見れた。ベト~。

 

上海の難点?は、ファンのサイン攻めの勢いがすごいこと。他の大会でも似た光景は見るけど、ここでは身の危険を感じるくらい押される。北京に行った人によると、北京も同じらしい。ミーハー(死語)というか無邪気というか…。子供は少なくて、みんな大人。ボースタッドとは真逆でギャップがすごかった。ルブレフはトリノの寒空の下、ホテル前で待つファンにサインをしてたら風邪を悪化させたらしいし、リカバリーなどやることあるのにこれだけの時間を割くのはどうなんだろう、と何度も見てると思ってしまう。もちろんファンにとっては嬉しいことなんだけど。もう全員にサインするのはやめたほうが…

 

こちらは本戦の試合。座席数はもちろん少ないが、人の出入りが激しいので少し待てば入って座れる。

メドベージェフはファン層に男が多いのか、野太い声が飛び交う。怪我しそうな気しかしないので、周りで見るだけにした。

コートに入れなかったのでかろうじて撮った写真。パパにサインもらってる人もいた。激戦になりそうな練習は、早くから席に座って待ったほうがいい。

 

1週目の混雑日はサインせずに逃げるようにコートを去っていたシナー君。2週目はだいぶ人出も落ち着いたので練習後にサインしてたみたい。私は途中で練習を抜けたけど、友達はもらってた。悔しい。

 

お次はルード。ボースタッド、上海、東京と行った大会すべてに出場していたのでずっと見てたんだけど(これ書いてて気づいた)、特別にファンサービスが悪いわけではないが、塩対応気味なのは否めない。ルードは生真面目な人の印象。選手がファンサする光景を大量に見た今となっては、まあ、塩なのも分かるわ…と共感する。ちなみにサイン書くのがゆっくりすぎておもろい。私は苦労してうちわにサインもらったのに、サイン戦争中にいつの間にか紛失……。

 

上海で実際に会って一番ラブリーだったのはラヨビッチ。いい人との評判は本当だった。サインもらう人も数人しかいないのでお話もできたし。やっぱりファンサがいい人はますますファンになることって、あるな。ちなみにファンガールみたいなノリのセルビア選手応援団(中国人の男性3人組)がいて、ジェレに会ったときも見かけた。こういうのも中国っぽいのかも。

 

飲食

 会場周辺には食べ物を買う店はないので、持ち込みで用意するか、会場内で購入するしかない。Shake Shack、Lavazza、ピザっぽい店など、選択肢は5種類ほどしかなかった。値段も高めなので、持ち込みがおすすめ。ペットボトルのドリンクは10元だった。支払いは現金も可

この建物内がフードコート。

ドリンク、バーガー、ポテトのセットで1100元くらい。すぐに出せるようにボックスにセットして用意されてるので、微妙に出来立てではない。お店で食べるよりは美味しくなかったかな。

 

外資系以外のフードはおいしそうに見えなかったので食べてない。

 

LAVAZZAのドリンクやサンドイッチは美味しかった。

 

シナーは上海市街のLAVAZZAの店舗でイベントをやってたみたい。しかし写真がひどい。上海マスターズは公式サイトもSNSも、写真のクオリティが著しく低いけど、あれはなんなんだろう。

 

外のテーブルで食べてもよし。

 

物販

 美食天地の隣に物販専用の建物があり、テニス製品や土産物はここで買える。大会オリジナルグッズはそれなりに種類はあるものの、Tシャツの種類が2つほどしかなくて残念。ここでアクセサリーブランドのスタッフの女性と話し込んでしまい、楽しかった。写真のピアスはForty Loveというブランドで、北米と中国の大会で販売しているとか。日本でも出店したいと言うので、日本でやったら売れるよ!と盛り上がる。例年、日本人のお客さんがたくさん来るけど、今年はめちゃ少ない…と話していた。

 写真のうちわはインフォメーションでアンケートに答えるとくれた。

 支払いは現金も可予選日は、入場券を購入した画面を見せると60元値引きしてくれて実質入場料は無料になるので、お忘れなく。

 

会場内その他

写真撮影スポットもちらほら。

 

スクリーンの下にあるのがインフォメーション。

 

選手が練習コートに向かう際の出入り口。通路はautograph zoneになっていて、毎日限定50名が入ることができる(とインフォメーションで聞いた。20名だったかな)。チケットは速攻なくなるので、開門と同時にダッシュしないと無理だよ、と教えてもらうがゲットできず。人気選手の場合、練習後のコートは地獄絵図となるので、ここでゆっくりサインをもらえたら楽でよい。朝並んでる人がいてなんだろうと思ってたのは、このためだった。ただ、このチケットがなくても入ってる人がいたりして、よくわからなかった。

 

ゲームに参加すると景品がもらえるブースもいくつか。紅牛。

 

最後の夜はなんだか哀しかった(祭りのあと)。

 

 私が個人的に気になったのは、会場内のトイレ。ほとんどが日本でいう和式だった。センターコート内は洋式の割合が少しだけ増える。有明もオリンピック前の改装以前は汚かったらしいし、まあそういうものなのかな…。トイレットペーパーとハンドソープはあるし、頻繁に掃除されている。

 

必須アプリとネット環境

アリペイとWeChat

 日本のクレカは使えないと聞いていたが、大きな商業施設など一部では使用できるらしい。私は一度も使おうとしなかったので検証できなかったけど、使えない前提で潔くアリペイWeChatをインストールしよう。日本のクレカの紐づけなどは最新の情報を探してほしい。私はこちらとかこちらを参考にした。地下鉄バスタクシー、コンビニなどあらゆる決済に利用するだけでなく、前述のとおりチケットの購入やホテル予約、レストラン探しに使うミニプログラムと呼ばれるアプリからそのまま決済できる必須アプリ。

 ただ、日本のクレカ登録はうまくいっているのになぜかエラーが出ることもあるらしい。原因は分からないとか。そこで見つけたのが、こちらの方法。前提として、クレカ紐づけの前に私はTourcardなるものがあるのを知り、まず1000元チャージしていた。Tourcardの詳細はこちらから。上海銀行にプリペイド専用の口座が開設され(つまりデビット)、その口座に国際クレジットカードからお金をチャージして利用するモバイル決済サービス。ただ、このTourcardも機能しないことがあるらしい。先のリンクで紹介されていたのは、Tourcardの口座をアリペイの支払い優先順位1位にしておくと、スムーズに使えるよ、という話。支払いの優先順位って何?と思ったかもしれない。アリペイを使って決済するにはクレカをいくつも登録できるのだが、その中で優先順位をつけることができるのだ。つまり、アリペイやWeChatでうまく決済できない(海外クレカが原因?)場合、Tourcardは上海銀行の口座から引き落とされるので、ここを優先順位トップにしておけばスムーズに決済ができる、と私は解釈している。ここまでやる必要はないかもしれない。日本のクレカも登録したけど、私はこの方法で、すでにTourcardにチャージしてしまった1000元を優先的に使った。そのおかげかは分からないけど、決済エラーは一度も経験しなかった。WeChatもクレカ登録して、こちらも問題なく使えた。Tourcardはチャージするたびに手数料がかかるし、アリペイで日本のクレカでの引き落としが使えるならそのうちなくなるんでは…という気がする。

 そして、これもやる必要があるかは不明だが、登録したクレカ会社に中国に滞在する旨を連絡しておいたほうがいいと聞き、やってみた。オペレーターの人は、最初??って感じだったので、そんなことをする人はあまりいないのかもしれない。

 アリペイとWeChat両方ないとダメ?と質問されたら、入った飲食店がWeChatしか使えない、ということもあるので、両方あったほうが便利、としか言えない。ただ、現地の人はWeChatのほうを頻繁に使っている印象だった。

 ちなみに、現金は思ったよりも使えるみたい。会場内の物販と飲食は現金が使えた。いくらか両替していたので、現金OKな場所で優先的に使った。割り勘するときも現金があると便利(WeChatでも個人間送金はできる)。

 

その他アプリ

weiboは公式ページで練習スケジュールや雨天のスケジュール変更もアナウンスされるので必須。百度地図も必須。翻訳アプリは精度が良いと聞いたBaidu Translateを使った。実際は数回しか使わなかったし、結局分からん、ってことも。地下鉄検索にはMetroManを使った。

 

ネット環境

 私は楽天モバイルなので、ローミングONにするだけで日本にいるときと変わらず使用できた。つながりにくい時や、SNSにビデオをアップロードするときのみ高速データ通信を使ったので、デフォルトの2GBに追加で購入したのは3GBだったかな(500円で1GBずつ購入できる)。公共交通機関に乗るときや支払いのときも、ほぼ待つことなくQRコードが表示できたので、何か不便だったことがあったか思い出そうとしても、何もでてこない。念のため香港SIMも持って行ったけど使わなかった。

 ホテルの部屋ではWiFiを使いたかったので、VPNを使用。中国に強いと聞いたかべネコは一度も落ちることなく快適だった。使い方も簡単。無償プランは14日を過ぎると自動的に解約されるのも楽でいい。ちなみに上海マスターズ会場内にWiFiは飛んでいない

 

感想

 渡航前はとにかく準備に追われて余裕がなく、なんか面倒なことが起こるのでは…その前に、スムーズに入国できるか…から心配だった。蓋を開けてみれば様々な心配は杞憂だったが、渡航前は楽しみというよりも、事なきを得ればよい、と思っていたくらい。だからあまり期待していなかったので、意外に現地の人たちと交流できたのが楽しくて、良い思い出になった。中国は何が起こるか分からなくて怖いという話も聞いていたので警戒しすぎた裏返しとも言える。シャイだったりぶっきらぼうな人もいるけれど、中国人の人懐っこいところと、他人を恐れず気楽に話してくれるところが好きだった。一瞬滞在しただけの印象だけど。こんなことなら中国語をもう少し勉強すればよかった。

 上海マスターズの印象もおおむね良かった。ファンがミーハーすぎるところはちょっと引いたけど、逆に言えばにぎやかで楽しいともいえる。次に行くならなるべく違う大会に行きたいけど、また来ることもあるかもしれない。なんせ一番近いマスターズだから。上海はそもそも馴染みがなく、いろいろ知らないことだらけだったので冒険感があったのも良かった。なんでも”初めて”は楽しい。

 念願のルブラノフも見れたし(ルブレフとハチャノフの練習も2回も見れた)、たくさんの選手にサインをもらったり、一緒に写真をとってもらった。4か月の間2週間も毎日テニス漬けだったので、もうしばらくはいいかな、と思えるくらい大量にテニスに触れられたのは、いいことなのか、そうでもないのか…。行けるときに行っとけ、なので悔いはない。またいつか、全然違う街でテニス観戦できることを願って。

 

以下は雑談(ここをクリック)


カメラ

iPhone 13proに機種変更してこれだけで撮影したけど、やっぱりiPhoneのカメラはイヤだ…と痛感。好きなカメラは持ってるけど単焦点だし、ビデオは全然使えない。ビデオは気になるやつあるけどズームができない。テニス観戦はズームが必須。結局、それなりにキレイにズームで撮れてビデオも使うとなるとコンパクトデジカメになるけど、今のところ欲しくなるような機種がない。画面が大きい、すぐに送信できる、撮っていて目立たない、軽いという理由でiPhoneに落ち着いてしまう。Fujifilmが携帯作ったりしないかなw

現地で出会った中国の人々

 初日の観光では、街中でいろんな人に道を聞いたり質問して話す機会を多く作ったのだけど、ぶっきらぼうな人(中国人のイメージ)、通じないのに中国語で喋り続ける人、無言だけどわざわざ連れて行ってくれる人、こちらが日本人と分かると日本語の単語を話してくれる人(翻訳機を見せた時に日本人だと分かったから)など、様々だが、総じて街中では英語が通じないケースがほとんどだった。

 会場内では英語がけっこう通じるのではと期待していたけど、やはり街中よりは英語を話す人が多かったと思う。少なくとも、話そうとしてくれた。そして、現地の中国人と楽しく話す機会が意外に多かったのは、来る前は想像してなかったので嬉しいサプライズだった。バスを待ってるときに話しかけてきた青年は、英語はあまり話せず、日本語も単語が少し分かるくらいだったが、「日本人と話すの初めて」とのことで、お互い片言でなんとか会話して、別れ際にはスポーツドリンクをくれた(鈴木貴男は素晴らしい選手だって言ってた)。ルブレフの試合中、ファン仲間同士で応援してたら、1人でほかの街から観戦しに来たという男の子が参加してきて、後で偶然会ったときにはしばらくテニスの話で盛り上がった。ほかにも、英語で話しかけると「韓国人?日本人?」と控えめに聞いてくる女の子など(ファンが作ったシナーのシールをくれた)、なんとなく、日本人(外国人?)に興味があるのかな、と感じることも。めちゃフレンドリーというノリではないが、テニスという共通項があるとはいえ、初めて会ってひとしきり和やかにお話ができるのが楽しくて、上海ってこんな感じなんだなぁと思ったり。地下鉄内で他人同士が会話してるのを見かけたのは一度ではないので、カジュアルに他人と話す人たちに見える(これは外国に行くといつも観察するところ)。こういう光景を見ると、東京って他人同士が警戒しすぎだよな…といつも思う。

 今回のテニス旅で一番のハイライトは、やっぱり最終日の1日前。ダブルスの試合が始まるのを待っていたが、なかなか始まらない。たまたま後ろにいた人たちになんでだろうね?と話しかけた。アメリカの大学を出たという女の子と、その友達の男の子2人の3人組。別の街から来ていて、珠海も見に行ったらしい。試合がキャンセルになったのが判明し、今夜のフライトを明日に変更して部屋を探さねば…と呆然としてる私を見て、「自分らもホテル探してるから、一緒に来れば?」となにげなく誘ってくれた。2号館で試合を見ながら携帯で一通り手続きを済ませて、タクシーで莘庄のホテルへ移動。一緒にご飯を食べて、翌朝も朝食を食べて観戦し、夜空港に向かうまで一緒に行動した。よく笑ったしお互い一緒にいるのがすごく自然に感じられるというか、程よい距離感で、不思議な感覚だった。アジア人同士の穏やかな空気感もあったと思う。すごくすごく運が良かったとしか言えない。

 前回のボースタッドでも、ツイッター経由で突然現地で会うことになったファン仲間(デンマーク人)がいろんな意味で自分に近い人で驚いた。今回はあらかじめファン仲間と会うことにはなっていたけど、あの3人組との偶然の出会いは本当に貴重でありがたかった。まさか中国でこんな展開になるなんて、不意打ちもいいところだ。そのせいで余計に感動したのかもしれない。テニスがメインの旅だけど、毎回こんなことが起こると、次も期待しちゃうから注意…。これは幸運だっただけ(言い聞かせ)。8日間テニス漬けで十分満喫したけど、今回、結局一番思い出に残るのはテニスよりこっちだったな、と思ったりして。