virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

Nordea Open (Swedish Open) @Båstad(ボースタッド)観戦記

 2023年7月17日~23日にスウェーデンのBåstad(ボースタッド)で開催されたNordea Openで観戦した記録です。前日16日から決勝の23日まで通いました。250の大会だし日本から見に行く人も少ないかと思いますが(多分現地で日本人は見かけなかった)、再訪するときのための備忘録として書いてます。この年はちょうど75周年記念で、そのせいか250にしては豪華メンバーが揃ったと言われていて、実際にほぼ同じメンバーが翌週のハンブルグ(500)にも出場。

 海外での観戦といえば昔USオープンに行ったことがありますが、その時はNYに滞在していてたまたま日程があったので2日ほど観戦しただけで、テニス観戦のための旅行は初めてです。

 アクセスや大会の詳細情報は当時のものです。なお、大会名は開催地名で呼ばれることが多いので「ボースタッド」とします。

 

 

現地に行くまでの経緯

 ルブレフのプレイを生で見たいという目的で、どの大会にするかずっと迷い続ける(この先日本に来ることがあるか怪しい)。考え始めたのが2023年シーズンの始め。ヨーロッパにするのはほぼ決めていたものの、なんといってもテニス遠征で厄介なのが、実際に出場するかどうかはギリギリまで分からないこと…。出発まで、というか出発後も大会初日直前までヒヤヒヤしながらエントリーのアップデートを確認。

 ボースタッドの決め手は、規模の小さい250であること、クレイであること、センターコート(以下CC)が小さいこと、スウェーデンは何度か行ってるので多少馴染みがあることの4点。アーカイブ映像を見ていると、ここのCCが一番小ぶりに見えた。ルブレフはCCでプレイすることになるので、グランドスラムのようにスタジアム以外のコートで見ることはないのを想定して、CCで見ても近いことを重視。

アクセス

フライト

 テニスのトーナメントはあまりアクセスのよくない場所で行われる場合があるけれど、ボースタッドも例外ではなく、フライト選びも少し迷った。最寄りはエンゲルホルムーヘルシンボリという小さな空港だが、日本からだと最低でも乗り換え2回になり割高。そのため、直行便のあるコペンハーゲンから約2時間半かけて電車で向かうのが一番効率がいい。ストックホルムは直行便がないし、ボースタッドとは対岸になるので、電車の移動も長くなる。私は実は直行便ではなく、行きも帰りもターキッシュエアラインズを利用してイスタンブールでストップオーバーした。条件はあるけど送迎付き完全無料のツアーがあったり、無料でホテルを予約してくれるサービスもあり、時間に余裕のある場合はおすすめ。今回は両方利用しなかったけど、ホテルは試しに頼んでみたら旧市街のいい立地のホテルだった。フライト代金も安い。

電車

 私はコペンハーゲンに2日ほど滞在していたのでコペンハーゲン中央駅から乗ったけれど、空港から直接向かうことも可能。乗車するのはイェーテボリ行きだが、この時は手前のMolndalまでしか走らず、行き先表示もMolndalだった。途中橋を渡り(景色も見える)、マルメ、ルンドと経由して約2時間半でBåstadへ。急行・各停などはないのですべて停車。私が行った時期は1時間に1本、毎時27分発だった。ヨーロッパの多くの鉄道駅には改札がない。とはいえ、8割方駅員が回ってチェックしにくるので、必ずチケットは買ってから乗ろう(罰金あり)。

発車時間やプラットフォームは直前に変わることもあるので注意。困っても掲示板の前に常駐する係員の人にすぐに聞ける。南ヨーロッパの猛暑のせいもあってか、25度にも届かない快適な気候のコペンハーゲンには観光客がたくさん。

 

券売機の使い方を聞きたければそのへんに必ず係員がいて親切に教えてくれる。クレカのチップを読み込まなくても数回試すと成功したり、ほかの券売機では問題なく購入できたりする。

 

指定席はなく、1等車を除いてどこに座ってもよし。おしゃべり禁止(騒いじゃダメ)エリアもあり。座席にはコンセントがあった。

 

 グーグルマップを見ていたので想像していたとはいえ、Båstad駅に着くと、緑が広がる景色に少し驚く。駅舎らしきものはあるけど、最初に到着した日曜日は無人だった(その他の曜日は不明)。駅前は店もなく、アパート(ホテル?)が数件とパドルテニスの施設があるのみ。駅を出て1つ目の停留所はスーパーや店が数件あるエリアだが、駅前にはほぼ何もない。一緒に待っていたおじさんと話していると、この駅はボースタッドの外れに位置するらしい。町の中心地は会場のあたりだそう。ちなみに券売機はプラットフォームにもある(赤い機械)。

バス

 このバスが曲者なのでちゃんと書いておきたい。プラットフォームを降りると駅舎の前にバス停がある。ほかにも2つバス停があるが、会場に向かうバスが停まるのは駅舎の前で、路線は501か502。バス停に時刻表はなく、電光掲示板もない。チケットもクレカが使えるのか分からないので周りにいる人に聞いて回る。コペンでは現金を使う必要がなく、現金(スウェーデンクローナ)のことをすっかり忘れて用意していなかった。隣で待ってたおじさんがもしクレカ使えなかったら払ってあげるよと言ってくれる。いざ乗り込んで、おじさんが運転手に聞くと、払わないでいいと言う。タダで乗せてくれた?と思っていたが、その後別のバスに乗っても「トレインステーション!」(英語話さない人)と言われたりで、最後まで確認できなかったけど、どうやら電車のチケットがあればバス代はいらないようだ。といっても見せる必要もなかった。現地の人々は携帯をタッチしていた。バスの発車時刻は電車と連動している(ということはやはり1時間に1本)。時刻表はグーグルマップで駅や停留所を調べれば表示されるのでここでチェックしよう。

 実際に乗る人に大声で言いたいのは、電車を降りたら即バス停に行って、誰も列を作ってなくても、とにかくバスが来たら譲らずに先に乗ること! なぜかというと、満杯にならなくても発車してしまうからだ。観客が多くなる週末はバスも混雑する。続々乗り込んでいると、車内はまだ立っている人もいないのに、多くの人をバス停に残してバスは発車した。残された人々は1時間待つことに。タクシーを見つけようとする人もいたが、平日はタクシーを駅前で見かけたものの、週末は呼ぶのが難しそうだった。私も待ちぼうけるハメに。歩くと1時間以上はかかる。最初は車内に乗客が立って乗ることが禁止なのかと思ったが、次に来たバスに早々に乗ると、どんどん詰め込んでいっぱいになったところで発車(やはり乗れずに残された人たちがいた)。立って乗ることはダメではないらしい。運転手の判断によるのか、スケジュールを優先したのか不明だが、とにかく早く乗ろう…

急げ~

 

降車はBåstad Torget。駅からは10分ほど。USBポートのある座席も。

 

Båstad Torgetに到着。

 

帰りのバス停は離れた場所に。こんなとこにあったのね…

 さて今度は駅に戻る場合。会場最寄りのバス停周辺には、駅方向に向かうバス停が見当たらない。これはグーグルマップでも見つからないので以前から不安だった。同じく迷ってそうな人に聞いて2人で戸惑っていると、バス停はあっちよ!と案内してくれる女性が。200mほど駅と反対方向に歩くとたしかにバス停発見。しかも電光掲示板付きで、あと何分で到着か知らせてくれる。が、ここにも落とし穴が。グーグルマップにも表示されているし、電光掲示板にも表示がでていたバスが来ない。時間をすぎると表示は削除され、次は40分後。この表示は当てにならないので、電車に乗り継ぎができる時間かどうかで判断すべし。こんな感じでバスに翻弄されたけど、時刻表はグーグルマップで、電車の発車時間と連動してないバスは来ない可能性あり、さっさと乗り込むべし、の3つを覚えておけばよいかと。まあ会場から歩ける/チャリで来れる宿をとるのがベストではある。

 コペンハーゲンから車で来たファン仲間の人と現地で2日ほど会って送ってもらったりしたので、車のアクセスについても少しだけ。パーキングは歩いて10分ほどの場所にあり、混む週末はスペースを見つけるのが難しいらしい。道も信号のない一本道なので、渋滞はしていたが、どうにも動かないという様子ではなかった。ただ時間は読めないので、友人は練習を見ようと急いでいたのにタッチの差で間に合わなかった、なんてことも。

 

宿泊

 ほぼ1カ月前と直前と言っていい時期にフライトを確保した私が一番心配していたのはホテル予約。ボースタッドは小さなリゾート地なので夏はにぎわうけどその他の時期は閑散としている人口5000人の町。ホテルの数は少なくて価格も高いことを予想していたけれど、まさにそうだった。グループなど複数人で行けばそうでもないかもしれないが、エアビーをみてもかなり高い。スウェーデン人の友人から、ヒュー・グラントが別荘持ってると聞いてたけど、サマーハウスでのんびりバケーションを楽しむ人々が多いんだろうなと想像する。会場内にあるホテル・スカンセンは翌年もキャンセル待ちだとか。フジロックの苗プリのようなもので、ここに泊まれれば最高だけど、そうもいかない。ホテルは歩ける距離が便利だが、歩ける距離ではホテル数もかなり限られると思うので、自転車レンタルしてるかどうかチェックしたほうがいいかも。実際会場内は自転車を多く見かけた。

 宿泊予約サイトをみても適当なホテルが見つからないので、グーグルマップも眺めていると、ホテルではなさそうだが宿泊できる施設を発見。16日と17日だけ空いてたのでとりあえず予約。ボースタッド・スポーツセンターという名のとおり、テニスコートや大きな陸上競技施設があり、ここを使用する人のための合宿所みたいな施設なので、設備は最低限。ちなみに到着した日はウインブルドンの決勝日で、テレビがあるから観られるかと思ったら映らず(翌日すぐに直しに来てくれた)、映ったとしても観られないと言われた。でもキッチンに行くと盛り上がっている。誰かのPCが側に置いてあったので、ユーロスポーツに加入してる人がテレビに接続して観ていたみたい。ジョコビッチ年間グランドスラムならず泣。

 この施設からはバス通りをひたすら歩いて20分。途中にスーパーマーケットや町の土産物屋、飲食店も少しあり。夏は22時くらいまで真っ暗にはならないし、歩いたり自転車で通る人もいるので、危険な雰囲気はない。いたってのどかな風景が続く。

ひとつのドアごとに4部屋ほど。壁は薄い。

部屋に飾られていた絵。街中にNordea Openの旗が飾られていて、街中で年に一度のイベントを(ささやかに)盛り上げている雰囲気。

ざーっとシャワーが降ってけろっと止むので、虹をよく見る

 

 ボースタッドには大会前日と初日しか宿泊できないので残りの日はどうしたかというと、隣駅のエンゲルホルムにホテルをとった。ボースタッドから12分。と聞くと近いが、電車は1時間に1本なので、それなりに時間を気にする必要はある(ほかにローカル線もあったかは不明)。ホテルの受付の人と話していると、テニスを見に来た客がこの町に滞在するのはあるあるらしい。一応ツーリストインフォメーションもあるので観光客もいるみたい。人通りも少なく、大変静かな町。宿泊したホテルは駅から徒歩2、3分で朝食もついていて(物価の高い北欧で朝食付きは素敵)、とても快適な滞在ができた。町の中心エリアなので、スーパーや飲食店、映画館も徒歩数分圏内。

 ちなみに、エンゲルホルムのホテルのチェックアウトは土曜日。500以上の大会だったら観たい試合も多いだろうし、ある程度大きな都市にある大会だったら、観光して時間潰せるので、最初からフル滞在を想定してもいい。しかボースタッドのような小さい町の場合、早々に見たい選手が負けて、ほかにそんなに見たい試合がなかったら時間を持て余すかも、土日はコペンハーゲンでホテルをとって、もし勝ち続けたらコペンハーゲンから通おう、と考えていた。そのため、土曜日はエンゲルホルムのホテルからスーツケースを持って会場へ向かい、ホテル・スカンセンの荷物置き場に預けた。土曜日はスーツケースと一緒にコペンハーゲンのホテルへ。嬉しいことに決勝まで進んだので、日曜日はまたボースタッドまで電車で通うことになった。この辺のホテル予約も難しいところ。誰の試合でもいいからテニス観戦を楽しみたい、なら話はもっと簡単なんだけど。

 

チケット

 公式サイトから簡単に購入可能。曜日ごとに枚数と空いてる席を選ぶ。この年はナイトセッションは水曜日のみだった。やはり土日は早く埋まりがち。購入後に送信されるメールからリンクに飛んでQRコードを取得する。ゲートで見せると腕にスタンプを押してもらえるので、入退場するたびにそれを見せる。リファンドはできないが、スウェーデン在住の人なら可能。

 チケットの種類は、Numbered Seat(CCの指定席)がセクションごとに3種類とGround Pass。1SEK=14円で計算すると、

Numbered Seatは270SEK~650SEK(約4000~9000円)

Ground Passは180SEK~395SEK(約2500~5500円)

 Ground PassはCCの席はないので、周りで立って見ることになるが(スペースはあまりない)、CCとコート1があるエリアに入場することができる。コート1はフリーシート。下の写真がGround Passで入れるエリア。2つのEntranceでチェックされる。大会グッズの店はこの外にも1軒あったが、メインの店はこのエリア内にある(売り切れるのので早めの購入がおすすめ)。チェックが始まるのは第1試合のどれくらい前か忘れたけれど、早めに行けばチケットがなくても、CCやコート1で練習する選手は見られる。

 

 私はとりあえず2回戦が行われる水曜日と木曜日、QFの金曜日のNumbered Seatを事前にネットで購入。もちろん現地でも買えるので、火土日は現地で購入した。月曜日は見たい試合がなかったので、チケットを買わずに練習コートで待機。練習コートは誰でも入ることができる。こちらは後述。火曜日でも当日に6列目で買えたので、週の前半はそれほどぎっしり埋まってる感じではなかった。

 問題は土日。ルブレフが勝ち進んだので、チケットを急遽購入。いろいろ悩んでいたら、チケット売り場の人から、「もしいらなくなったらそこの角で売ればいいから」とひそひそ声でアドバイスされる。ところでこの座席、実際は適当に座っている人が多い。ファン仲間たちによると、前が空いてたら適当に座るよ、という反応だったので、そういうものらしい。私も自分の席に誰か座ってることがあったけど、言えばどいてくれるからお互いあまり気にしなくてもいいと思う(もちろん、チケットはちゃんと買おう、というかチケットがないと入れないけど)。日本でもこういう感じなのか分からないけど、多分NGっぽいし、怒る人多そうよね…。

会場内

 ボースタッドの会場はかなりこじんまりとしている。CCとコート1のあるメインエリア、練習コート、飲食店、ビーチ、どこに行くにも2分もあれば移動できる。

試合の始まる1時間くらい前からこのゲートにアッシャーがいるので、腕のスタンプを見せて入場する。

メインの通り? 選手がしょっちゅう通り過ぎるので、子供に呼び止められてサインしたりセルフィ―を撮る姿もよく見かける。ガン無視してる選手も見たけど、誰かは言わない。

ホテル・スカンセンの入り口。大会期間中はHQ的な施設となり、選手や大会関係者が滞在している。宿泊していなくても中には入れるので、見学したりトイレを借りたり。ちなみにトイレはCCやコート1の建物内、ビーチ近くにもあって困らない。

コート1には給水所。

コート1とCCの間の通路。

 

センターコート

 私は大会期間中ずっとベンチ側の席にいた。初日は2列目だったけど、カメラを向けるのもちょっと躊躇するくらい近い! 近すぎてボールの行方が見えない! ちなみに、反対側の前列はなんとなく関係者が多いような印象。その上は遠い2階席で、通路が少ないので途中退場が大変そうだった。ベンチ側がおすすめ。

ルードにはもっとクールなウェアを着せてほしい。

実際見るとほんとに脚が細くて、これでよく踏ん張れるなぁと思っちゃう。

なんと優勝……!

ベンチ側のコート入口。ルブレフは試合後にコート上でサインもらえなかったファンたちのために、この先の選手出入口でさらにサイン続行。行列も少しあったが、ボースタッドは人も少ないので、押し合いへし合いしながら必死になる必要はなし。

このテントは関係者やゲストエリア。ここのほかにも、後方に飲食しながら観戦できる(たぶんしてないけど)エリアがあり、うるさくはないが談笑する声が聞こえるので、ルブレフが審判に苦情を言う場面も。場所柄か、リッチな人々の社交場的な雰囲気もあった。

クレイはスライディングする音がいいですね。

朝の早い時間ならCCでの練習をゆっくり見ることができる(人はほぼいない)

コート1

フリーシートだが、Ground Passがないと入れないエリア。朝早い時間や大会前日は誰でも入れる。

大会前日のズベレフとルースヴオーリの練習。やっぱり観客はとても少ない。

こちらは本戦。ラヨビッチは初戦で負けてしまった。この大会、フォキもルースヴオーリも初戦敗退で、ばたばたしててフルで試合が観れずに泣いた。

 

練習コート

 なんだかんだここにいた時間が長かったせいか、一番思い出の場所になった。試合は配信や放送で見られるけれど、練習は大きな大会ならたまに配信があるか、現地に行った人が撮影した短いビデオでしか見ることができないので貴重。

Welcome to Nordea Open この看板の裏が練習コート

練習コートの入り口

コートは4面。大会前の土日は予選も行われる。

間の通路は誰でも通ることができる。出てきた選手がサイン攻めに遭うポイントのひとつ。写真はエチェベリー。

誰でも入ることができるので、近所の人が犬を連れてなんとなく見ているという光景も。CCの試合中に、ルードが犬の鳴き声がしてサーブを止めたシーンがあったけど、予選試合中でも犬が何匹もいるのでちょっとびっくり(実際鳴いてた)。人も少ないしのんびりした雰囲気。

何度も言うけど、ほんとうに誰が練習していても終始こんな感じで天国。唯一混んでるな、と思ったのは、地元期待のレオ・ボルグの練習くらいだった。

誰とも場所を争うことなく、こんなにすんなりと近くで見ていいんだろうか…。毎日こんな感じだった。練習コートだと静かなので、配信では気づかなかった音も聞こえる。ルブレフはよく打つ前に口をふくらませているけど、ふーふー吐く音が大きくてびっくりした。

この日は到着したばかりなのに、遅い時間だったからか、コート整備泣

ルースヴオーリもコート整備してたなぁ。

練習コートを見ながら飲食ができるイタリアンカフェが美味しかった。

コート4面のうち2面は観戦席なし。自転車もたくさん見かけた。突然ざーっと降り出す雨に襲われたらここで雨宿り。

 

 500以上の大会であれば、練習スケジュールを公開することも多いけれど、ボースタッドは公開なし。Courtesy Deskにしつこく聞いたけれど、小さい大会だからそういうのはやらない、とのこと。スケジュールが分からないと、ここで地蔵になるしかなく、CCのほかの試合が観られなくなってしまう(見たい選手の練習を最優先した場合の話)。ファン仲間に愚痴っていたら、スケジュールを教えてもらう方法を伝授してくれた。さっそく連絡してみると、返事がきたりこなかったり。返事をもらえない日は、Player's Loungeに直接聞きに行くことに。入口にいるおばあちゃんスタッフに、日本から見に来たと訴えると、まあそれは大変、絶対練習見ないとね!と担当の女性を連れてきてくれて、無事直接教えてもらえた(実はその日はキャンセルしてよそのコートで練習してたのを本人たちのインスタで知る泣)。入口にいるスタッフによっては取り合ってもらえないこともあった。あらかじめ教えてもらえた日もあったけど、とにかく練習スケジュールに振り回されたなぁ。分かっていれば効率よくCCと行き来できるのにね。リスケ前提は承知なので、公開してもらいたい。それだけがボースタッドの難点。

 サイン事情は、練習コートなら比較的簡単にゲットできる。ただし、サインをお願いしているのは8割方キッズ。そして練習の前後って、意外と愛想よく対応している人は少なくて、ぴりっとした雰囲気の人が多かった。いつものルーティーンだからそういうものだろうなぁ。人にもよるけど(ルースヴオーリはにこにこと話してくれたのが印象的)。CCの試合後の場合は、ベンチ側の最前列で待つんだけど、大きな大会で見るような、コートの外でもサインし続けてるのはルブレフは1度しか見なかった。そもそも人が少ないのもある。

 

飲食

 会場内の飲食店は、ホテルに併設されているレストランや、ちょっと高級なレストラン、カジュアルなバー&レストラン、練習コート横のイタリアンレストラン、ビーチ寄りにも数軒バーレストランや小さな飲食店が並ぶ。コート1の奥やヨットハーバー沿いにはフードトラックも。行列もたいしたことないので楽。会場の外はバス通り沿いにたまに見かけるくらい。ちなみにスウェーデンクローナは今少し安いのだけど、元々の物価が高いので(イベント価格もある)、外食は日本の2倍に近い感覚。いや、日本が安すぎるんだろうけど…。

寿司トラック。ぎっちり握ってある海外寿司だけど普通においしい。

このタコスの店は3回リピート。

サンドイッチとコーヒーなどの軽食で利用したイタリアンカフェ。おいしい。

タイ料理も。

夜はクラブと化すバーレストラン

オンコートインタビューでも話題にしていたけど、夜中もクラブの音楽がうるさいのは恒例らしい。ホテルから丸聞こえなので選手は辛そう。メインエリア以外は誰でも入れるし、ヨットハーバーもあってテニス目当てではなく普通に遊びに来てる人も多い。

 

その他

 白い砂浜のビーチが広がる。朝も夕方もいつ行っても人はまばらで、みんなビーチには興味がないみたい。泳いでる人も数人みかけた。

建物内にはスパ併設。

 

キッズイベント。ボールキッズたちがルブレフに質問して、彼がそれに答えて最後に記念撮影という簡単なものだった。イベントの少なさはやはり大会規模の小ささを感じる。大会によってボールパーソンの年齢層は違うけど、ボースタッドは10代前半の子が多くてみんな可愛い。

大きな大会だと何十人もガット張り職人が待機しているけど、ここでは踊り場のような場所でひっそり。上の階の踊り場は簡易床屋になっていた。

 

 天気は、海沿いなのもあって大変変わりやすい。天気予報はあてにならない。風が強く、雨雲が来るのが分かるのであらかじめ避難できるくらい分かりやすい。ざーっと降っては20分後には止み、かーっと晴れて日差しが痛い。曇ってる時間帯も長かったのに、びっくりするくらい焼けた。

 結局、夜を除いて長時間降り続けたのは、滞在中、決勝の後だけだった。この決勝日、終日雨予報で、翌日に延期すると聞いていたほど怪しかった。直前に予定どおり開始するのが決まって始まったら、少し経ってざーっと降りかけるも、なんとか中断することなく続行して、ずっとぎりぎりの状態で持ちこたえる。そして試合後にどしゃぶり。つくづくラッキーだった。翌日延期になってたら、イスタンブールに向かうので観戦できなかった。

 20℃に届かない最高気温と15℃以下になる最低気温に行く前はびびっていたけど、結局夏だし日差しがでると暑いので、念のために持参してた薄手のダウンは着なかった。昼間は薄手のウインドブレーカー、朝晩は寒くなることもあるのでトレーナーがあれば十分だった。この気候が一日中外にいるのにちょうどよかったなぁ。

 

最後に

 この旅はフライト確保してから出発までのストレスが半端なかったけど、結果的に信じられないくらい幸運で楽しい経験になった。試合は2回観られれば良しとしよう…と思ってたのが、4回も観戦できて、なんと優勝。現場にいると現実味がなくてだいぶ後になってこうして振り返ることでようやく実感がわいた。初めてクレイコートであんなに間近で観戦できたり、急遽ファン仲間の人に会えることになって、コペンハーゲンまで車でドライブしたり、一生ニヤニヤしちゃう思い出ができたりで、ここまで来て本当に良かった…。多少のトラブルも旅の醍醐味。

 行く前までは、日本からこんな小さな町までテニス観に行く人なんていないだろうな、と我ながら思っていたけど(実際、誰に言っても驚かれた)、いざ行ってみると、ボースタッドはアクセスはそれほど悪くない大会だと思う。コペンハーゲンまで直行だし、そこから電車で2時間半。駅からはバスで10分。会場周辺にホテルが取れれば楽勝。

 ボースタッドを選んだ理由は書いたけど、つくづく、自分が求めていたものがすべてこの大会にあったなぁと振り返って思う。SNSでよく見る、サイン争奪戦とか人で埋め尽くされた通路とは無縁の、のどかな環境。かといって寂しい感じはなく、適度に賑わいもあり、すべてが程よい(歴代最高の77000人を動員したらしい)。ああ、また行けるかなぁ。グランドスラムは忙しすぎて疲れる、もっとマイペースにテニス観戦を楽しみたい、という人には全力でおすすめします。

 それにしても海外テニス遠征、楽しかったので、1シーズン各ツアーを回ってレポ書く仕事があればぜひやってみたい。どんな辺境でも行きます!

 

追記:この記事はボースタッドのガイドのつもりで書いたので抑えてますが、ルブレフファンの方でツイッター経由で読んでくださってる方は、現地で撮ったビデオなど載せてるので、期間検索などで探してみてください!