virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

追っかけ旅行:ドイツ

松永良平さんの「ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック」の中にでてくるメキシコでの出来事を読んでいてはらはらしながら、自分も昔はバンドのライブ観るために、無謀というか適当な旅行してたな・・と思い出した。ライブを観るのが目的の旅は何度かしている。主に、日本で観られないからこっちから行ってやる、という動機で、1回じゃもったいないので、最低2回は観たいなど画策して日程を調整すると、どこやねんそれ・・な街に行くことになる(特にアメリカ)。ライブでもなければ行くことはけしてない場所ばかりだ。そして若さのせいか、ネットを駆使できてなかったからか、今思うと行き当たりばったりな素敵な旅として、ライブよりも旅の行程のほうが良い思い出になってしまっている。ここでは、2002年夏のドイツへの旅行について書くことにする。

 

宿がない!

2002年春にUKの南部イーストボーンに3か月滞在して、9月からグラスゴーのカレッジに移るまでの夏休み期間、エディンバラの語学学校に通っていた。ベルアンドセバスチャンというバンドが好きな仲間が、日本からヨーロッパツアーを観に来るというので、その中のHaldern(ドイツ)とBenicassim(スペイン)のフェスに同行することになった。友人2人は日本から、私はエディンバラから向かって現地合流。私は学校があるので、両日の間は一度エディンバラに戻ることに。さて、Haldernってどこ??から始まり、宿はどうする、などウェブサイトで調べるのだが、これが学校の遅いインターネット回線でのろのろ。

 

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地図で見るとオランダとの国境に近いようだが、近くに大きな街もなく、田舎の予感しかない。そして一番大事な宿の確保。フェスなのでテント泊が基本だからか、周辺ホテル情報がネットでは見つけられなかった(ホテルがいくつもある地域とは思えない)。最後の手段じゃ、とフェスの主催者に直メールして、「日本から行くのだけどホテルが見つかりません(涙)」と訴えると、じゃあ予約してあげるよ、との返事が。うおおラッキー!親切!ダンケシェーン!。着いてみたら、ベルセバも泊ってるホテルだった。ここくらいしかちゃんとしたホテルがなかったのかもしれない。

 

たどり着けるか?

エディンバラからどうやって行ったのか思い出せず、昔書いたものを探してようやく判明。アムステルダムまで飛んで、そこから電車でRees Haldern駅まで向かったらしい。が、そこは無人駅だった。まじか・・。タクシーもいない。バスはあったので、運転手に聞けばどうにかなると思ったら、英語を話さないらしく、ぷいっとされてしまった。ホテルの名前や住所を見せたか記憶がないが、とりあえず乗ってみる。2002年に私のNOKIAの携帯電話にグーグルマップはない。どこで降りるん・・と不安になっていたところ、ザックを背負っていかにも今からフェスに行くルックな男子2人組が!すかさずホテルの場所がわかるか聞いてみる。2人ともよくわからないようだったが、ここかな?というので降りてみた。でもホテルはなく、誰もいない。やばいぞ・・。と、そこへさっきの2人組が戻ってきてくれて、公衆電話からホテルへ電話してくれた。親切さんの手で運ばれていく。ダンケシェーン・・。

 

ホテル→フェスの移動手段

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画像は紙写真をスマホで取ってます。日付間違ってる。

ホテルとフェス会場の位置関係もよくわかってなかったが、歩いて行ける距離ではないことが判明。どうすんねん!(何回も言ってるけど)。でも安心、自転車を貸してくれると言う。わーい、のんびり自転車でフェスに通うなんて素敵ではないか。が、いざ乗ってみると、ハンドブレーキがない。ペダルを逆に漕ぐと止まるタイプの自転車だった。まあ田舎道だし、大丈夫か・・。

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車もめったに通らないのどかな道をひたすら走る。羊たちも一斉にこちらを見るくらい。気持ち良くて最高なのだが、行きはよいよい帰りは恐い、だった。街灯がまったくない!本物の暗闇、頼れるのは自転車のライトのみ。道を踏み外すのも怖いので、後ろから車来たー!と声かけながら1列になって走る。ブレーキも使い慣れないし、こわごわ運転。ドイツの田舎町の夜を自転車で疾走する東洋人3人。

 

別に危険な目にもあってないし、たいして冒険はしてないないけど、さすがに無人駅が最寄りの街はなかなかないかも。フェスものんびりしてて良かった。追っかけ旅行で大規模フェスに疲れたら、こういうのを混ぜるといいと思う・・って、やらないか。