virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

「ナイトメア・アリー」「怪物團(フリークス)」

映画自体も面白いけど、社会背景をもっと知りたくなる2本。

ナイトメア・アリー

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映像がきれいなので、ぜひ劇場で観るのをおすすめ。照明が素晴らしい。

デルトロ作品てファンタジーとかなにか異形なものがでてくるイメージだったけど、本作はかっちりとドラマだった。おさまりすぎていて意外なくらい。時代設定は、主人公スタンがホーボーになる描写やヒトラーの台頭がでてくるのでおそらく1930~40年頃。大恐慌後のアメリカって狂騒の20年代とのギャップと相まって、無法地帯感がわくわくわする時代。流れ者スタンが見世物小屋たどり着くと、団長らしき男が、「ここでは誰もおまえの過去なんて気にしない」と言う。「サカナとヤクザ」で築地魚河岸は前科者でも働き口のある場所と読んだのを思い出した。行き場のない人にとっての社会の受け皿。

 

スタンは読心術のてほどきを受けると、見世物小屋を飛び出し、一儲けしようと企むが、因果応報な結末を迎える。このラストがストーリーとしてあまりにも丸くおさまってるので拍子抜けしたのだが、原作や47年の映画ではテーマが全然違うらしい。人心掌握の術を使って広がったメガチャーチの始まり(「エルマーガントリー」)、無賃乗車でアメリカ中を移動したホーボー(「北国の帝王」)などなど、この時代のことをもっと知りたくなる。47年の映画「悪魔の往く町」は10本セットDVDとして販売されていて、こちらは渋谷のツタヤにあるかどうか…。

 

ということで、BLACKHOLEのこちらの映像を見るとより理解が深まり、キャー勉(キャー勉強になる)な話がたくさん聞けます。柳下さん「ナイトメア・アリー」翻訳してたのね。めちゃくちゃ面白そうだ…。

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怪物團(フリークス)

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BLACKHOLEでこの映画に触れていたので、ずっと前から気になっていたけどやっと観ることができた。「フリークス」で知られているが、アマプラでは日本公開当時のタイトル「怪物團」で配信されている。結婚式のシーンでみんなが合唱する歌はサウスパークやビッグバン・セオリーなどでパロディにされてるらしいけど、たしかにキャッチーで合唱したくなる。We accept her one of us, one of us, gooble-gobble, gooble-gobble.... 展開も「ナイトメア・アリー」に通じるものがあり。

 

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