virgilの日記

映画、シリーズの感想多めです。

ドバイオープン The Dubai Duty Free Tennis Championships 2024 観戦記

 ドーハ編に続くドバイ編。2/25 ~2/27の3日間滞在なので、観戦したのは1回戦のみ。到着初日はルブレフのスポンサー主催イベントに参加したあと、夕方に会場まで行ってみるも、雨が降り出して誰も練習してないからすぐにホテルへ帰る。4時起きだったので、ちょっと観光しようと思ったけど断念。人が少なくて気候も比較的からっとしていたドーハから、空気がむっとして、ごみごみしているドバイに着いてなんだか疲れてしまった。

通貨:1AEDディルハム)=約40円

 

フライト

人工島?

 ドーハ決勝日の翌日、ドバイへ移動。朝8時の便なので、6時前に空港着を目指して早朝にホテルを出る。ハマド・インターナショナル空港はハブ空港なので特にそうだが、早朝からすごいにぎわいだった。多くの人でごった返しているし、時間に関わらず店は開いるせいか、寝てる人もあまりいない。ドバイまでのフライト時間は1時間だが、動きだしてから離陸するまで30分かかり、実際に飛んでるのは20分ほど。ゲートにはドバイオープンの小さなブースがあって、スタッフがいたが、聞いてもすぐに求める答えが得られず、一応いる、的な感じ。

 

アクセス

 地図上では会場は空港から近く見えるけど、GoogleMapだと徒歩30分とあり、感覚的にはもっと離れてる気がする。ドバイはここ30年ほどで今のような都会に変貌したが、それ以前は何もなかったらしい。おそらくオールドタウンと記したあたりや川沿いから始まって、どんどん海沿いに広がっていったのだろう。イベントが行われたのは地図の左下あたりで、オールドタウンからタクシーで爆走して30分かかった。この間をつなぐ大きな道路沿いに、世界一高い高層ビルのブルジュハリファやドバイフレームが見えるので、車内からふーんと見物。この道路と並行してメトロ(高架)が走っているので、降りなくても車内から見えると思う。

 オールドタウンは移民や外国人労働者の街で、海沿いは白人の街、と棲み分けがあまりにも鮮明だったのが一番印象的。貧富の差が如実に現れているようで、正直、あまりいい感じはしない。カタールUAEも人口のほとんどが移民や外国人労働者の国だが、ドーハではこれほどくっきりと分かれているのを目にしなかった。ドバイのオールドタウンはアジアのどこかの都市のようにガヤガヤしていて、特に夜の通りは人で埋め尽くされている。歩いているのは南アジアや東南アジアの人々(フィリピン、パキスタン系の人が多いらしい)。白人の姿は見かけない(カルフールに行くと突然現れる)。逆に海沿いのほうへ行くと、白人率が圧倒的に高くなる。ドバイオープンも、オールドタウンでは見かけなかった白人だらけになる。

 イベント会場周辺。道路からは中が見えないようになっていて、こんな入り口から入るとマンション街になっていた。この奥にビーチがある。

メトロ

 会場最寄り駅は空港から1つめのGGICO(ジーコ)。下車してからも7,8分は歩く。周辺は店もぽつぽつあるけどわりとガランとしたエリア。AL Rasあたりまでがオールドタウンで。その先は川を渡って海沿いエリアになる。外資系ホテルは海沿いエリアに多いが、30分はかかると思う。ドバイは意外に広い。

 ドーハと同じように、女性専用車両にあたるものがあった。乗客が多いので、女性専用車じゃない車両にも女性はいた記憶。ドバイの地下鉄といえば、ルールが厳しいことでも有名。なかでも居眠り禁止というのがある。車内で見た禁止事項には、横になって寝てるピクトグラムがあったので、座りながらうとうとも禁止なのか定かではない。実際、座って寝てる人を見かけた。

 運賃はゾーン制で、同ゾーン内なら片道3AED(約120円)。

 海沿いになると、こんなデカい駅がある。

タクシー

 ドバイでは配車アプリのCareemを使った。Uberと同じように使える。Al Riggaのホテルから会場まで34AED(1360円)。会場から空港までは1000円ほど。ある日乗車した車のドライバーさんはパキスタン出身で、年齢当てごっこなどして談笑。彼いわく、ドバイに来ると速く歳をとる、のだそう。理由を聞くと、水が悪いのだとか。彼の一家は移住して17年になるけど、故郷にいる親族と比べて、みんな白髪や皺が多いらしい。海水を淡水化してるらしいので、あながち大げさではないかもしれない。

 

宿泊

 周りに飲食店も多くてホテルが密集しているオールドタウンで探した。ドーハ編に書いたように、リーズナブルなホテルは評価8でも怪しいので、オープンして間もない新しいホテルを選んだ。値段で判断するのが一番確実。1か月前の予約だったのもあり、割安できれいなホテルはないと判断。最寄りはUnion駅。オールドタウンは中東というより、マニラかムンバイといった感じ(行ったことないけど)。とにかくアジアの喧騒を感じる。ホテル周辺の建物は古く、干されている洗濯物をみると、狭い部屋に多くの人が住んでるのが想像できる。大通りのAL Riggaはすごい賑わい。夜に食べるところを探したが、いまいち入りたい店がなくて困った。ちょうどホテルの目の前に、東南アジアにありそうな屋台村があり、その中でやっと食事(タコス)。私は今どこにいるのだろう…というくらい、アジアの空気。

 会場周辺=空港周辺にもいくつもホテルがあるので、徒歩だと10分以上かかるけど、タクシーならすぐ。海沿いのほうになると、メトロも時間がかかるし、タクシーでも渋滞がひどく時間がかかるかもしれない。

 

チケット

 公式ウェブサイトから、Ticketmasterのサイトに飛んで購入可能。確認メールからTicketmasterのリンクを開くとQRコードが出たはず。

 

 チケットの種類は大きく分けて、Prime, Lower, Upperの3種類(指定席)。Primeはエンド側のみで、6日と3日の通し券販売のみ(前半3日、後半3日のチケットがあったような…)。つまりエンド側を1日だけ購入することはできない。Lower, Upperは各日ごとに購入する。私はDay2までLowerを購入したので、両日で7000円ほど。6日通しのPrimeは全日同じ席に座れて約90000円になる。

 サイドの場合、日陰になるのが早いWESTが絶対おすすめ…。日差し強烈なので、もし次回行くことがあれば、これだけは覚えておきたい。EASTがベンチ側。

会場内

センターコート

 ドバイオープンは正直、また行きたい!って感じではないのだけど、センターコートがいいのよね…。なんせ小さくて、Upperでもそれほど遠く感じないと思う。写真は7列目くらいからの眺め。実際はもう少し近いイメージ。小さいからか、盛り上がると一体感があって楽しい。私が月曜と火曜しかいなかったせいかもだが、昼間の試合は人が少ない。夜でもナイト第2試合になるとかなりまばらになる(観客が少なくても盛り上がる試合が実は好物だけど)。

 自分が購入したチケットにゲート番号が書かれているので、そのゲートから入場すると、手首に紙の通行証を巻いてくれる。ちなみにドバイオープンには、会場のゲートはない。スタジアム周辺一帯は飲食店がいくつも集まるテニスガーデンみたいになっていて、大会期間外でも営業しているから自由に出入りできる。そのため、グラウンドパスなどはなく、チケットが必要なのはセンターコートへの入場のみ。会場内の様子はカサキナのVLOGを見ると雰囲気がよく分かるので、おすすめ。

 ロシア人(あるいはロシア語話者)多し。戦争の影響でドバイに移住するロシア人が多いと聞いていたが(比較的簡単らしい)、実際に会場にも多かった。

 赤いシートがPrime席。ドバイはスタンドに常駐するスタッフの数が多くて、客の管理が厳しい。早く座れとか、前の列に誰もいなくても、前席に足を乗せるなと頻繁に注意していた。ドバイは監視社会らしく、防犯カメラも多いとか。まあ、そういう雰囲気は会場内でも少し感じる。何か聞いて断られたら、もう絶対にダメ、という感じ。

 センターコートに加えて、もうひとつドバイのいいところは、試合前と後に選手が通る花道が設置されていること。試合が終わったらダッシュで出て、この白い柵で待つ。負けた選手がサインしていることも。

 上海では身の危険を感じて近づけなかったダニールのサインもちゃんともらえた。ほかの大半の選手と同じように、適当に区切りをつけて去っていった。ルブレフがなるべく全員に対応してくれるのは嬉しいけど、相当エネルギー使うと思うので、そうしてほしい…。

練習コート

 ドバイ最大の難点は、練習があまり見られない、これに尽きる。センターコート以外で一般公開しているのは3面のみ。予選日や1日目は見学可能だが、2日目からは試合で使用されるので、試合開始(午後2時あたり)前くらいしか見る機会がなく、練習スケジュールは公開されない。あるVLOGでスケジュールの表を見たし、もちろん存在はするけど公開してくれない。まあどうせほとんど見れないだろうけど。

 その他コートは覆われていて見えないので、スタンドの一番上まで登って誰がやってるかのぞいたり。

 初日はKids Dayで、小学生の団体が練習を見学にきていた。みんなネイティブの英語を話す子供たち。休み時間の教室みたいにがやがやしていて、ここでもセキュリティのごっつい兄ちゃんが、うるさい!とかうろうろ歩くなとしきりに注意していた。ルブレフの練習中に、喧嘩が始まり、休み時間どころじゃないうるささになったので、思わずセキュリティの人に静かにさせるようお願いしてしまった…。はりきって行ってくれたが、注意される前にさすがに引率者が子供たちを連れて出て行ってくれた。テニスを見に行くようになってから、練習って割とシリアスな雰囲気なんだな(場合によるけど)と思うようになり、練習後のサインをもらうのもなんだか気が引けるようになってきた。近くで見られるから練習は見たいし、試合後にはサインをもらうチャンスがないこともあるから、一度は欲しいんだけど…。

 ドバイは開場時間が設定されてないので、朝から行って試合が始まる2時までに誰か練習しているのを見られる。実質1時くらいまでしか見られないけど。選手にとっては、奥のネットで覆われたコートでやるほうがいいよなぁ。

 サインを求められている赤Tシャツの人はアンベールのコーチ。子供たちはとにかくサインを欲しがるけど、学校の遠足で来た子供たちは、相手が誰でもいいらしい。ほかのコーチにサインちょうだいとある子が声をかけると、「僕はコーチだよ」と言われて、「コーチでもいいじゃん」って返してたのが地味にウケた。

 ひとつしかない練習コートの入り口はサインもらえるゾーン。

飲食・物販

 オリジナルグッズは種類が多い。最終日に質の割にえらい高いシャツを買ってしまう。ドーハもそうだったけど、客をマダム、サー付けで呼ぶ店員が多い。

 ここでもファラフェル。街中でなかなか中東料理をすぐに見つけられなかったので、ここで食べられてよかった。

 アイリッシュパブで久々に飲酒。ドバイはお酒がわりと飲める、と住人の人に言われたけど、スーパーなどで買うときは別に場所が設けてあるのも見たし、どれくらい入手しやすいのかは分からなかった。海沿いエリアならどこでも飲めそう。

 レストランやフードトラックもあり、飲食に関してはかなり充実している。

 砂漠の国では緑があることがステータスっぽい。小川も作られていて、カモがいたし、木々の中から鳥の合唱も聞こえる。ちょっと腰掛ける場所もたくさんあって、雰囲気はよい。ベンチに座っていると、大会スタッフ?らしきTシャツを着た子供が駆け寄ってきて、1ディルハムコインをもらってほしい、と手渡してきた。現金を一切持たなかったので、おみやげにいいや、と思っていただく。なんでくれたのかは謎。

かわいい

 

 最終日は、会場内に預けていたスーツケースをピックアップして、23時頃タクシーで空港へ。夜中でも大量の荷物をカートに乗せた客でいっぱい。朝5時頃のフライトなので、どうやって時間つぶそうかと思ってたけど、空港で過ごす時間ってなんであんなに速く溶けるんだろう。特に何もせず、SNSで投稿や連絡をとってるあいだに、あっというまに時間になった。

 

その他

  • ドバイオープンは、試合が見やすいセンターコートは大変素敵だが、練習がほぼ見られないというメリットとデメリットが極端な大会。
  • 当初はドバイに1週間いる予定だったが、SFで起こった事件(ルブレフの失格処分)を思うと、その場にいなくてよかった…。現地で見ているのを想像しただけで震える。
  • 今年のドバイはラマダンが始まる前に終わったけど、来年はお尻2日くらいがラマダンと重なる。ラマダン中でも普通に仕事するし、特に欧米人の多い会場内なら関係ないとは思うけど(食事の提供も普段と変わらないはず?)、何か変化があるのかちょっと気になる。
  • ドバイの街自体に、あまり好感が持てなかったのが残念。といっても3日しかいなかったけど。中東感が感じられないままだった。
  • イベントで新しいファン仲間に会えて、ドーハで会った人ともドバイで合流できた。またどこかで再会できるといいな。
  • テニスツイッターって…を改めて考えさせられた。使い方をアップデートして、ほどほどの距離をとり、快適に使えるよう工夫するしかない。始めてから2年くらい経って、1周した感。